2024年予算案、過去最大13兆7,207億CFAフラン
(コートジボワール)
アビジャン発
2023年11月15日
コートジボワール政府は11月7日、2024年予算案を国民議会に提出した。経済活動の活発化の見通しに立って編成された新年予算は13兆7,207億CFAフラン(約3兆4,302億円、1CFAフラン=約0.25円)と、2023年当初予算と比べて17.3%増の過去最大の大型予算となった。予算編成の前提となる実質GDP成長率は2024年7.0%、2025年7.2%と予測され、高い成長を維持する見通しが出ている中、新型コロナウイルス感染症への対応やロシアのウクライナ侵攻など国際情勢の不安定化による影響で悪化した景気の持ち直しが続くとしている。予算案は10月25日に閣議決定しており、2023年内の成立を目指す。
予算案は財政の持続可能性を維持・強化することを基本方針に据え、歳入確保のための取り組み強化、歳出の効率的な管理、公的債務の抑制、経済構造の転換に向けた支援拡大、社会・安全ニーズへの対応を柱として、財政刷新を目指している。歳入面では、税収強化を図り、課税ベースの拡大、免税措置の合理化に重点を置いている。特にデジタルプラットフォームや電子商取引など新興セクターへの課税強化や、租税特例措置の制限などに焦点を充てている。歳出面では、成長を牽引する分野への投資、社会経済インフラの強化、治安体制の強化、貧困と社会格差の是正、生産と産業・商業開発、教育・訓練・研究などを優先分野とし、重点配分している。
新型コロナへの対応で膨らんだ財政赤字は、経済活動の活性化で税収が増加し、GDP比4.0%と2023年の5.2%から低下する見通しだ。2026年には西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)地域の目標の3%以内に抑える目標を定めている。政府は赤字補填(ほてん)のために金融市場からの資金調達を計画している。2024年から2026年にかけて、それぞれ2兆7,124億CFAフラン、2兆5,850億CFAフラン、2兆4,600億CFAフランを調達する予定だ。
公的債務残高はGDP比57%と増加する見通しだが(2021年は51%)、UEMOA地域の目標のGDP比70%以下に抑えられている。政府は公的債務を経済・社会開発の重要な財源として活用しながらも、債務返済負担が持続可能な水準に保たれるよう、管理の強化に努めている。
なお、コートジボワールは2023年5月、IMFとの間で35億ドルに上る拡大クレジットファシリティー(Extended Credit Facility:ECF)・拡大信用供与措置(Extended Fund Facility:EFF)融資協定に合意しており、IMF主導の経済財政プログラムを実施している(2023年5月1日記事参照)。
(渡辺久美子)
(コートジボワール)
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