自動車産業テーマに「オート・コネクト・フォーラム」開催
(サウジアラビア)
リヤド発
2023年11月13日
サウジアラビア西部のアブドゥッラー国王経済都市(KAEC)で11月8~9日の2日間、国内自動車産業の振興と発展を目的に、国際会議「オート・コネクト・フォーラム」が開催された。今回のフォーラムは産業・鉱物資源省、その傘下機関の国家産業開発センター(NIDC)と投資省が初めて企画したもので、事前登録では300人を超える申し込みが寄せられた。会場内では、サウジアラビア政府関係8機関、国内外の自動車関連企業8社が出展参加し、関連情報が紹介された。
NIDCのハリル・イブン・サラマ最高経営責任者(CEO)は開会のあいさつで「サウジアラビアの自動車産業は、国家改革『ビジョン2030』の下で新たなステージに到達した。関連企業はさまざまなイニシアチブの支援により、間もなく世界市場への進出を果たせるようになるだろう」と強調した。同氏は、同国の自動車産業が国内需要に応えるだけでなく、地域や世界市場に製品を輸出できるよう政府が支援措置を講じているとし、輸出開発庁が国内産自動車の輸出計画に取り組んでいることを明らかにした。
産業・鉱物資源省のファハド・アールジュバイリ副次官は「国家産業戦略(NIS)に基づいて自動車産業を支援している」とし、「サウジアラビアにコスト優位性のある樹脂、タイヤ、スペシャリティーケミカルなどを国内調達できる環境を作ることが優先事項」と説明した。
経済特区庁(ECZA)と経済特区の1つKAECの関係者は、経済特区としてのKAECが持つ魅力とともに、これまで同特区が有利な政策を実施することでいかに電気自動車(EV)の導入を加速させたかを紹介した。また、具体的な進出事例として、既に発表されているルシード・モータース、CEERなどに加えて、新規案件として地場物流大手Himmahや公共投資基金(PIF)のモビリティー事業子会社Tasaruの新規プロジェクトが紹介された。
会議終了後、参加者はKAECで9月27日に工場を正式オープン(2023年10月2日記事参照)したルシード・モータースの製造工場を視察した。同工場では当面、米国アリゾナ州の工場で製造したEVをセミノックダウン方式で生産することを計画している。
(秋山士郎)
(サウジアラビア)
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