ジェトロ支援で日本の製薬スタートアップが欧州製薬大手と商談
(ドイツ、日本)
ミュンヘン発
2023年11月21日
欧州最大級のバイオ分野のビジネスマッチングイベントである「バイオ・ヨーロッパ(BIO-Europe)」がドイツ・ミュンヘンで開催された。会期は会場でのリアル開催が11月6~8日、オンラインは11月14~15日で、リアル開催では61カ国から5,431社が参加し、会期中に3万100件の商談が行われた。リアル開催には日本から約120の企業や大学、研究機関などが同イベントに参加、うち創薬や再生医療などの技術やサービスを有する24社のスタートアップなどがジェトロの支援プログラムを通じて参加した。
バイオ・ヨーロッパのブース出展スペースには、企業のほか、ドイツ、英国、イタリア、カナダ、韓国などが国ブースを、ミュンヘンが所在するドイツのバイエルン州や前年のバイオ・ヨーロッパ開催地だったザクセン州(2022年11月22日記事参照)、米国ノースカロライナ州が州ブースを設置した。参加者は、主催者がウェブサイト上で提供するパートナリングシステム(商談組成システム)を活用して事前にアポイントを取得した相手と、30分単位で商談を行った。ジェトロが出展支援した企業は350件を超える商談を行い、「次年度のビジネス・投資獲得につながる商談ができた」「グローバルにパートナリングする機会はまれで、有益だった」といった声が聞かれた。
11月6日の会期初日、ジェトロは出展支援企業に対するサービスの一環として、欧州製薬大手のエフ・ホフマン・ラ・ロシュ(スイス)およびイプセン(フランス)の外部企業との連携担当者を招き、両社が日本企業に対して求める技術や分野などをプレゼンするワークショップを開催した。ロシュは、2011年以降に開発した26の新たな医薬品のうち、22が外部企業との連携によるものだったと説明した。また、11月8日には、会場内のステージにおいて経済産業省とともに日本のバイオ産業戦略を紹介するジャパン・セッションを実施。佐伯耕三ジェトロ・ブリュッセル事務所長は、日本のバイオ産業エコシステムや政府のイニシアチブを紹介したほか、欧州ベンチャーキャピタルに対して日本のスタートアップへの投資を呼びかけた。
(鷲澤純)
(ドイツ、日本)
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