G7外相会合、戦闘の「人道的休止」やその後の和平プロセスで一致したメッセージ発信

(イスラエル、日本、パレスチナ、米国、G7)

テルアビブ発

2023年11月09日

日本が2023年の議長国を務めているG7の外相会合が11月7日と8日に東京で開催され、7日にはイスラエル・パレスチナ情勢について意見交換を行った。

日本の外務省が11月8日に公表したG7外相共同声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、イスラエル、パレスチナ自治区ガザ地区とヨルダン川西岸情勢について、G7外相は、イスラエル各地に対するハマスなどによるテロ攻撃や、現在も続くイスラエルに対するミサイル攻撃を断固として非難するとともに、国際法に従って自国と自国民を守るイスラエルの権利を強調した。さらに、前提条件なしに、全ての人質の即時解放を求めた。

ガザでは、悪化する人道危機に対処するための緊急行動を取る必要性を強調し、一般市民のための妨害されない人道支援と、人道支援従事者のアクセスを可能とするとともに、緊急に必要な支援、一般市民の移動、人質解放を促進するための人道的休止と人道回廊を支持した。さらに、G7メンバーは、ガザの持続可能で長期的な解決、国際的に合意された指標に沿ったより広範な和平プロセスへの復帰に向けて準備すべく、パートナーと緊密に取り組むことにコミットしているとし、イスラエルと自立可能なパレスチナ国家の双方が平和、安全、相互承認の下に共存することを想定した「二国家解決」が公正で、永続的で、安全な平和への唯一の道だと強調した。

上川陽子外相は8日の記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで「今回、G7として初めて、今般の事態やその他の対応について、まさに現状における人道的休止やその後の和平プロセスを含め、一致したメッセージを文書のかたちでまとめることができたことは、国際社会においてG7が責任ある役割を果たすという観点からも、重要な成果になった」と述べた。

G7外相会合に出席した米国のアントニー・ブリンケン国務長官も会合後に記者会見を行った。米国務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ブリンケン長官は「結局のところ、このような危機が二度と起こらないようにする唯一の方法は、恒久的な平和と安全のための条件を整え始めることであり、それを念頭に外交努力を行うことだ」と指摘した。その上で「米国は現在も、戦闘終結後も、ガザからパレスチナ人を強制移住させないことが重要な要素と考える。ガザをテロや暴力的な攻撃の場として利用しないこと、 紛争終結後にガザを再占領しないこと、ガザを封鎖したり包囲したりしないこと、ガザの領土を縮小しないこと。さらに、ヨルダン川西岸地区からテロリストの脅威が発せられないようにしなければならない」と述べた。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、日本、パレスチナ、米国、G7)

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