スナク英首相、イスラエルを訪問し、大統領、首相と会談

(英国、イスラエル、中東)

ロンドン発

2023年10月20日

英国のリシ・スナク首相は10月19日、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの衝突を受け、イスラエルを訪問、アイザック・ヘルツォーク大統領、ベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談した。スナク首相は同国の自衛権が国際法に沿ったものとしたほか、同国との協力も再確認。また、中東地域の戦闘拡大の防止に向けた協力の必要性も強調した。

また、スナク首相は、イスラエルが18日にパレスチナ自治区ガザへの支援物資搬入を認めたことを歓迎。その上で、食料や水、医薬品などの重要性に触れた。

スナク首相は16日に英国議会下院に対して、イスラエルとガザ地区の最新情勢について声明を発表した。英国人を含めた被害状況や、フライトの手配状況など退避活動に関して説明を行ったほか、英国内のユダヤ人やムスリムコミュニティーへの支援についても述べた。

また、英国が支援する分野として、戦闘拡大とイスラエルに対するさらなる脅威の防止、パレスチナ自治区への人道支援の提供、中東地域の平和と安定に向けた外交手段の利用の3点を挙げた。

戦闘拡大の防止については、空軍の観測機による巡視や地中海東部への海軍の展開、キプロスや周辺地域の軍備強化を挙げた一方、ガザ地区での戦闘や攻撃については関与しないとした。

人道支援に関しては、パレスチナ自治区に対する1,000万ポンド(約18億2,000万円、1ポンド=約182円)規模の人道支援を発表。これにより、同地域に対する英国の支援総額は3,700万ポンドとなった。

外交手段の利用については、中東諸国との会談(2023年10月19日記事参照)について触れ、「二国家解決」に向けた長期的な見通しをいかに回復させるかを検討する必要があるとした。

英外相は中東3カ国訪問

英国政府は18日、ジェームズ・クレバリー外務・英連邦・開発相がエジプト、トルコ、カタールの3カ国を訪問すると発表。中東地域の安定性の維持や、人質の解放とガザ地区への人道的アクセスの提供で重要となる各国の閣僚らとの会談を通じ、戦闘の拡大防止と平和的解決に向けて支援するとしている。

(チャウジュリー・クリシュナ)

(英国、イスラエル、中東)

ビジネス短信 f7c283f18e94b1aa