34台の人道支援トラックがパレスチナ自治区ガザに到着、ハマスは人質計4人を解放

(イスラエル、パレスチナ、レバノン、エジプト、米国、日本)

テルアビブ発

2023年10月24日

イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの軍事衝突開始(2023年10月10日記事参照)から10月23日で16日が経過した。イスラエル国防軍(IDF)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは23日、この24時間で、ガザで武器貯蔵所、地下トンネル、司令部、監視所など数百の標的を攻撃したことを明らかにした。また、レバノンからイスラエル北部国境地帯への攻撃は続いており、ロケット弾や2機のドローン(無人機)、対戦車ミサイル・セルなどが確認されたが、IDFによる迅速な行動によってそれらの攻撃は阻止したとしている。

ハマスも10月23日、イスラエル南部へロケット弾による攻撃を行っており、イスラエルの民間防衛軍(ホーム・フロント・コマンド)は23日に38回の警報を発令した。

国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、イスラエル側では10月23日までに少なくとも1,400人が死亡したとしている。また、イスラエル保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、22日午後5時時点で5,431人が病院に移送されたとしている。パレスチナ自治政府(PA)保健省によると、IDFの空爆により、10月23日現在で5,087人が死亡し、1万5,270人がけがをしたとしており、双方の死者数は合計で6,500人近くに達している。

パレスチナ自治区ガザでの人道支援をめぐっては、OCHAによると、10月21日にエジプトとガザを結ぶラファ国境検問所(2023年10月20日記事参照)から支援物資を積んだトラック20台がガザに入ったことを確認し、22日にはさらに14台がガザに入ったことを確認した。

IDFは10月23日、ハマスに捕えられた人質の数は222人と発表したが、各種メディアによると、ハマスが23日に2人のイラスエル人女性を解放したことを発表した。ハマスは20日には2人の米国人女性を解放しており、これで4人を解放したことになる。

日本の外務省は10月20日、イスラエル・パレスチナ武装勢力間の衝突に伴うテロの脅威に関する注意喚起の続報を発出外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の衝突を受けて、イラク・レバントのイスラム国(ISIL)は、イスラエル関連権益・大使館、「十字軍」諸国(西側諸国の趣旨)の大使館、宗教施設、ナイトクラブ、アラブ諸国の軍・政府、湾岸諸国に所在する米軍基地などを標的にするよう呼びかけているとして、不特定多数の人が集まり、混雑している場所には可能な限り近づかないよう注意を喚起している。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、レバノン、エジプト、米国、日本)

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