米NY市長、イスラエルを支持する声明を発表、市内の治安維持を強化

(米国、イスラエル)

ニューヨーク発

2023年10月13日

パレスチナ自治区のガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスによるイスラエルへの大規模な攻撃を受け(2023年10月10日記事参照)、米国のエリック・アダムス・ニューヨーク(NY)市長は攻撃のあった10月7日に、イスラエルへの支持を表明する声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

アダムス市長は声明で、「NY市はイスラエル以外では世界最大のユダヤ人の人口を有する都市だ」とした上で、「われわれは常にイスラエルと共にあるが、本日はいつも以上に、特別な決意をもってそうする」と述べた。また、「約2カ月前に私がイスラエルを訪問した際、ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒が共存して平和に暮らしているのを目の当たりにした。ユダヤ教の特別な聖日(仮庵の祭り)の最終日が過ぎ、めでたい日のはずだった今日この日の攻撃は、平和を台なしにして人々を分断させるテロ組織による卑怯(ひきょう)な行動にほかならない」とハマスによる攻撃を非難した。「今後も市内、海外を含め、あらゆる脅威の可能性を特定するため、複数の手段で継続的に監視している」とも述べた。アダムス市長はまた、NY市内の5区全てにおいて、ユダヤ人指導者たちと連絡を取っており、NY市警察に対し、ユダヤ人コミュニティーや礼拝堂に追加のリソースを配備するよう指示した。

NY市内では翌8日から9日にかけて、パレスチナ支持派とイスラエル支持派がそれぞれ抗議活動を起こし、9日にはイスラエル総領事館前で双方が衝突する場面も見られた(ABCニュース10月9日)。

アダムス市長は10月9日、タイムズスクエア近くで、犠牲者のためにユダヤ教の宗教指導者や団体代表者などとともに慰霊式を開いた。式において、NYのユダヤ人の活動を支援する団体であるUJAフェデレーション・オブ・ニューヨークのヒンディ・ポプコ副最高企画責任者は「NYとイスラエルは決して切れることのない絆で結ばれている。そして今夜、NYのユダヤ人コミュニティーが集結したことを伝えるためにここにいる」と述べた。

また10月10日には、約1万2,000人が国連本部前に集まり、イスラエルの犠牲者を追悼した。アダムス市長、NY州のキャシー・ホークル知事、レティシア・ジェームズ州司法長官も参加し、イスラエルへの支持を表明した。

アダムス市長は同日、市内で人々の感情が高ぶっている中、SNSが加害のための道具として使われる可能性があることを指摘し、各サイトを注視しているとした。また、全てのNY市の住民は今の時期、警戒を怠ってはならないと指摘した。

(吉田奈津絵)

(米国、イスラエル)

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