イスラエル・ハマス衝突のサウジアラビア国内ビジネスへの影響は限定的

(サウジアラビア、イスラエル)

リヤド発

2023年10月13日

2023年10月7月未明のイスラム原理主義組織ハマスによるイスラエルへの攻撃を発端とする、両勢力間の武力衝突のビジネスへの影響、今後の見通しまたは懸念について、サウジアラビア国内の日系製造業5社、同非製造業5社、外国政府機関・企業など3機関に状況を聞いた(2023年10月12日時点)。

サウジアラビア国内のビジネスで既に影響を受けている企業はほぼなく、受発注の状況にも特に変化はみられていない。一方、武力衝突直後に原油価格が上昇したことを理由に、「今後、生産コストが上昇するおそれがある」点を指摘する声があがったほか、今後の事業計画の再考を迫られる企業も確認された。

湾岸地域への戦闘拡大を懸念する声が最多

一方、今後の国内ビジネスへの影響見通し、および懸念としては、(a)湾岸地域への戦闘拡大に対する懸念、(b)エジプト、イスラエル、ヨルダンと国境を接する超大型スマートシティプロジェクト「NEOM」への影響、(c)戦争長期化にともなうマクロ経済への影響、特にサウジアラビア政府の経済プロジェクト予算の減少、の順に指摘する声が多かった。

湾岸地域への戦闘拡大による国内ビジネスへの影響見通し・懸念については、「シーア派諸国に飛び火すると、サウジアラビアにおけるビジネスリスクももう一段上がる」(日系製造業)、「とりわけイラン、ヒズボラの関与を注視している」(日系非製造業)、「欧米企業以上にステレオタイプが残る日本国内での過剰な反応も懸念」(日系非製造業)などの意見があった。

(秋山士郎)

(サウジアラビア、イスラエル)

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