北欧スタートアップイベント「テックバーベキュー」開催、北海道企業が連携模索

デンマークの首都コペンハーゲンで9月13～14日、同国最大級のスタートアップイベント「テックバーベキュー（TechBBQ）」が開催された。

同イベントは、300人規模の比較的小規模イベントとして2013年に初開催され、年々その規模を拡大し、今回は主催者発表で7,500人以上が参加した。会場ではクリーンテック、アーバンテック（注1）、ライフサイエンス分野を中心としたスタートアップや支援機関がブース出展したほか、メインステージでは400人以上が登壇し、スタートアップや投資家、アクセラレーターなどが活発に交流した。

北海道、札幌の企業・自治体・学生が交流深める

同イベントには、北欧地域とのエコシステム連携を強める札幌市が「STARTUP HOKKAIDO」（注2）を掲げてブースを出展、海外起業家の道内誘致に向けた取り組みや、北海道が強みを持つ食・宇宙・環境エネルギー分野の産業集積をPRした。北海道大学主導で起業やスタートアップに関心のある道内学生16人も参加し、運営のボランティア参画などを通じて参加者と交流した。

ジェトロは同イベント会期中の9月13日、ノルディック・アジアン・ベンチャー・アライアンス（NAVA、本社：デンマーク、注3）と共催で、北欧企業との協業に関心のある道内および道内関連企業、アジア展開に関心のある北欧スタートアップのピッチイベントを開催。100人以上が参加し、登壇企業と活発にネットワーキングを行った。登壇した北海道コカ･コーラボトリング新領域デザイン室長の三浦世子氏は「北海道と北欧との共通課題は非常に多い一方で、グリーンテックやウェルネス分野で北欧企業は技術だけでなく、（環境や健康に対する）意識そのものが進んでいると感じた。グローバルな視点に立ち、国を越えたチームで課題解決ができるよう、具体的に取り組んでいきたい」と語った。

なお、札幌市と北海道は2020年、内閣府による「世界と伍（ご）するスタートアップ・エコシステム形成」のための国内8拠点都市に選定され、2023年1月にはジェトロとテックバーベキューの札幌版「テックバーベキュー・サッポロ（TechBBQ Sapporo）」を開催（2023年2月3日記事参照）。2024年1月にはその規模を拡大した「Hokkaido Innovation Week」を開催予定で、スタートアップ・エコシステムのグローバル化に積極的に取り組んでいる。

（注1）都市生活や都市の持続可能性を改善するテクノロジー

（注2）グローバルで活躍するスタートアップを産み育てるエコシステムの実現に向けて構成され、北海道と札幌市、北海道経済産業局の3行政が一丸となったオール北海道の推進組織

（注3）主に北欧スタートアップと東アジア投資家などをつなぐことを目的とした非営利プラットフォーム組織

（深澤竜太、嶋貫聡）