6~8月期の失業率は2.8%、前期から横ばい

(香港)

香港発

2023年09月25日

香港特別行政区政府統計処は9月19日、6~8月期の失業率(季節調整済み、速報値)について、前期の5~7月期から横ばいの2.8%と発表した(添付資料図参照)。

業種別にみると、「貿易・卸売り」「小売り・宿泊・飲食サービス」「金融・保険・不動産・専門およびビジネスサービス」「行政・社会・個人向けサービス」「製造」は横ばいだった。「建築」(前期から0.3ポイント低下の3.8%)、「運輸・倉庫・郵便・宅配サービス・情報・通信業」(同0.1ポイント低下の2.8%)が改善した。一方で「その他の業種」(同0.3ポイント上昇の3.0%)は悪化した。

年代別では、「30~39歳」(前期から0.1ポイント低下の2.1%)、「40~49歳」(同0.1ポイント低下の2.2%)、「60歳以上」(同0.1ポイント低下の2.0%)の雇用状況が改善した。「15~19歳」(同0.5ポイント上昇の15.0%)、「20~29歳」(同0.2ポイント上昇の6.3%)の若年層の雇用状況は前期から悪化した。「50~59歳」の雇用状況は横ばいだった。

香港政府労働・福祉局の孫玉菡局長は「失業率は低下を続けている」と指摘した上で、今後の労働市場の見通しについて「インバウンド観光客と地元消費の継続的な回復は今後数カ月にわたって労働市場を下支えするだろう」との見方を示した。

香港中文大学経済学科准教授の莊太量氏は「2.8%の失業率は完全雇用の状態に相当する。短期的には失業率は2.8%程度で推移するだろう」と指摘している(「香港経済日報」9月20日)。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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