知的財産に対する中東アフリカ地域の好意的な認識が明らかに

(中東、アフリカ)

ドバイ発

2023年09月28日

世界知的所有権機関(WIPO)は9月14日、知的財産に関する認識度を地域別に調査した結果を公表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。同調査によると、知的財産が経済にプラスの影響を与えると認識している回答者の割合は、中東諸国を含む「アジア太平洋諸国」(平均76%)や「アフリカ諸国」(平均70%)の方が、北米を含む「西欧およびその他諸国」(平均56%)よりも高かった。「西欧およびその他諸国」に分類されているトルコも70%を超えた。

WIPOパルスと呼ばれるこの調査は、世界中の人々が知的財産をどのように認識し、それが経済や社会にどのような影響を及ぼしているかをグローバルかつ大規模な人数を対象に分析する新しい試みだ。世界50カ国の18~65歳を対象に、ウェブでインタビューした2万5,000件の回答に基づく。中東の国では、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が「アジア太平洋諸国」に分類、トルコは「西欧およびその他諸国」に分類されている。「アフリカ諸国」はアルジェリア、アンゴラ、エジプト、ガーナ、ケニア、モザンビーク、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ共和国、タンザニアが対象となった。

WIPOが毎年発表している世界132カ国・地域のイノベーション能力を分析・評価したランキング(グローバル・イノベーション・インデックスPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))で順位が欧米諸国よりも軒並み低い中東アフリカ地域で、知的財産が経済に対して前向きに捉えられていることは注目だ。

アフリカでは、地理的表示、商標、意匠、著作権に関する知的財産の認識度指数(注)も高い。他方、同調査では、中東アフリカを含む全地域で、若年層の知的財産に関する認識度指数が低いため、普及強化が提言されている。

(注)各知的財産について詳しいと考える回答者の割合。「ほとんど知らない」「だいたい知っている」「非常によく知っている」と評価した個人的理解(主観的認識)と、知財に関する知識を尋ねる質問に対し正しく回答された客観的認識の組み合わせ。

(関景輔)

(中東、アフリカ)

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