中国電池メーカーのサンオーダ、ハンガリーに欧州初の生産工場建設を発表

(ハンガリー、中国)

ブダペスト発

2023年08月01日

ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外務貿易相は7月26日、中国のリチウムイオン電池メーカーのサンオーダ(欣旺達電子)が、5,800億フォリント(約2,320億円、1フォリント=約0.4円)を投じて、同社にとって欧州初の工場をハンガリー北東部のニーレジハーザに建設することを発表した(7月28日ハンガリー政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。国営ハンガリー通信(MTI 7月27日)によると、シーヤールトー大臣は、この投資の背景には欧州の自動車産業からの需要の高まりがあると説明した。

今回の投資案件は、ハンガリーでこれまで2023年に発表された最大の直接投資となる。シーヤールトー大臣は、世界の電池メーカー上位10社のうち5社が持つ世界市場シェアは49.4%にのぼり、サンオーダの進出決定により、これら5社全てがハンガリーに生産拠点を持つことになると強調した。

また、新工場の環境・雇用面の影響について、シーヤールトー大臣は、サンオーダは環境保護に全力を尽くしており、工場に必要な水の90%は処理された廃水が再利用されると述べ、国内で生じている電池工場の環境への悪影響の懸念に配慮した説明を行った。同社は太陽光発電施設も設置し、工場では主に再生可能エネルギーを利用すると述べた。加えて、政府はこの投資によって数千人分の新規雇用が創出されることを期待していると述べた。

MTIによると、工場の着工は2024年で、生産開始は2025年末を予定しているという。また、シーヤールトー大臣は、大規模な電気自動車(EV)関連工場の建設は経済成長にとって重要であると同時に、現在、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の14%を運輸部門が占めていることから、環境面からも重要であると強調した、とも報じている。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー、中国)

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