サウジアラビア知的財産総局(SAIP)がPCTの国際調査・予備審査機関に
(サウジアラビア)
ドバイ発
2023年07月19日
サウジアラビア知的財産総局(SAIP)は7月10日、スイスのジュネーブで開催された世界知的所有権機関(WIPO)の加盟国総会で、特許協力条約(PCT)の国際調査・予備審査機関(ISA/IPEA)(注)に任命された。中東地域の知財機関では、トルコ、イスラエル、エジプトに続き4番目となる。
PCT加盟国の特許出願人は今後、PCT出願をする際に国際調査・予備審査機関としてSAIPを選択できるようになる。特に、アラビア語圏の出願人にとって出願先が増えることから利便性が高まり、中東地域からのグローバルな特許出願が増加する可能性がある。
SAIPは、特許審査官の採用や研修の実施、品質基準と電子システムの開発など準備を進める。2022年12月に国家知的財産戦略を定めるなど、知的財産に関する機能の集約・強化を推進してきた(2023年4月14日記事参照)。今回の任命で、一定の特許審査機能を有することが加盟国に認められ、中東地域でのSAIPの存在感が一層増すだろう。
(注)PCTに基づく特許出願は、複数の国に別々に特許出願する煩雑さを避けるために、1つの出願様式で出願することで全てのPCT加盟国に同時に出願したことと同じ効果を与える制度。国際調査機関は、PCT出願に対して特許性(新規性、進歩性など)の有無につき見解書を作成する。出願人から請求があれば予備審査機関として、見解書を再度作成する。
(関景輔)
(サウジアラビア)
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