モンゴル、第1四半期のGDP成長率は前年同期比7.9%

(モンゴル)

北京発

2023年06月12日

モンゴル国家統計局は5月17日、2023年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(注1)が前年同期比7.9%(速報値)だったと発表した。季節調整済み実質GDP成長率は前期(2022年10~12月)比0.8%だった(注2)。生産面からみた名目GDPは前年比42.1%増の約13兆6,142億トゥグルク(約5,446億円、1トゥグルク=約0.04円)だった(添付資料表参照)。

実質GDP成長率7.9%への寄与度の内訳は、鉱業・採石業が5.3ポイント、サービス業が3.8ポイント、農牧業がマイナス0.2ポイント、工業・建設業がマイナス0.3ポイント、製品に対する純税(注3)がマイナス0.7ポイントだった。

特に、鉱業・採石業の実質GDPは前年同期比49.6%増の8,314億トゥグルクだった。これには主に石炭と原油の採掘が増加したことが影響した。また、サービス業の実質GDPは7.1%増の3兆トゥグルクだった。これには主に運輸セクターの付加価値増加が影響した。

支出面からみた実質GDP成長率は前年同期比7.8%だった(注4)。同成長率に対する需要項目別の寄与度をみると、最終消費支出が2.1ポイント(うち民間最終消費支出がマイナス0.4ポイント、政府最終消費支出が2.6ポイント)、総資本形成がマイナス10.4ポイント(うち総固定資本形成がマイナス0.6ポイント、在庫品増加がマイナス9.7ポイント)、純輸出が16.0ポイント(うち財・サービスの輸出が58.8ポイント、財・サービスの輸入が42.8ポイント)となった。純輸出の増加には、財・サービスの輸出が前年同期比2.4倍の5兆6,000億トゥグルク、財・サービスの輸入が55.7%増の6兆7,000億トゥグルクになったことが影響した。

(注1)生産面からみた国内総生産。2015年の物価を基準としている(固定基準年方式)。

(注2)2022年の実質GDP成長率については、2023年3月15日記事参照。

(注3)「製品に対する純税」とは、輸入品に課せられる税・関税から総資本形成に係る付加価値税を控除した部分を指す。

(注4)速報値であるため、支出面からみた実質GDPと生産面からみた実質GDPの値が一致していない。後日、暫定値を経て確定値になった時点で最終的には一致する。

(藤井一範)

(モンゴル)

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