ヒロツバイオ、グローバルヘルス・エクイティファンドと覚書締結、低・中所得国への展開目指す
(ナイジェリア、日本、イスラエル、アフリカ)
ラゴス発
2023年06月27日
HIROTSUバイオサイエンス(ヒロツバイオ)は6月12日、世界保健機関(WHO)財団とイスラエルのベンチャーキャピタルのアワークラウド(OurCrowd)との提携により設立されたグローバルヘルス・エクイティファンドと海外展開に関する覚書を締結した。ヒロツバイオは自社で開発する安価で簡便、高精度のがん検査キット「エヌノーズ(N-NOSE)」の低・中所得国への供給に向けて、WHO財団の知見やネットワークを活用する。具体的には、エヌノーズのコスト最適化に関する協力、世界のキーオピニオンリーダーへのアクセス、有望市場の特定と価格戦略の提供などが含まれる。
エヌノーズは、線虫が人の尿中に含まれるがん特有の匂いを高精度に検知することを利用したがんの一次スクリーニング検査だ。検査費用が1万3,800円からと低額で、2020年の実用化以降、2023年5月までに累計40万人以上が受検した。
覚書の署名には、双日が立会人として同席した。双日は2022年2月、ヒロツバイオとエヌノーズの海外展開に係る資本業務提携契約を締結している。ヒロツバイオ代表取締役の広津崇亮氏は記者会見で「既にエヌノーズの東南アジア展開について議論を進めており、将来的にはアフリカでも展開可能と考える」と語った。WHO財団のチーフインパクト投資オフィサーのギータ・タルマラトナム氏はジェトロのインタビューに対し、「ジェトロのJ-Bridge事業をきっかけに2023年3月に訪日した。そこでジェトロがアレンジしたヒロツバイオとの面談が今回の覚書のきっかけとなった」と述べた。
(馬場安里紗)
(ナイジェリア、日本、イスラエル、アフリカ)
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