2023/2024年度予算を発表、グリーン経済への投資などを強化

(モーリシャス)

中東アフリカ課

2023年06月26日

モーリシャス政府は6月2日、2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)の国家予算PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。歳入総額1,790億モーリシャス・ルピー(約5,560億円、1モーリシャス・ルピー=約3.12円)のうち、税収入が86.7%を占める。

歳出総額は2,000億モーリシャス・ルピーとしており、うち経常的支出が88%、資本的支出が12%となっている。財政赤字は前年度のGDP比3.9%から2.9%に改善を見込む。公的債務残高は2023年にGDPの79%まで削減される見遠しで、2024年6月にはさらに同71.5%まで減少させる計画だ。失業率は、2020年の9.2%から2022年には7.7%まで低下し、今後も改善の流れが続くと予測している。

モーリシャスのプラビン・クマール・ジャグナット首相は同日に開かれた会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「厳しさが続く国際情勢の中で、国民の購買力を支え生活水準の引き上げが重要」と述べ、これらの課題に対応するべく、新たな予算には各種補助金や手当の拡充、付加価値税(VAT)の一部撤廃などが盛り込まれているとした。

モーリシャス経済開発総局(EDB: Economic Development Board)のケン・プーンヌーンサミーCEOは、新たな国家予算を紹介するEDBニュースレターの中で、前年度(2022/2023年度)は8.7%の実質経済成長、過去最高水準となる270億ルピーの海外直接投資、新型コロナウイルス流行前の水準となる640億モーリシャス・ルピーの観光収入と3,200億モーリシャス・ルピー超の財・サービスの輸出を達成し、経済の回復が順調に進んでいると強調した。新たな予算はグリーン経済への投資、家計支援、税制改革、労働力不足の解消、さらなる投資誘致などに取り組み、経済を強化するとしている。

グリーン経済への投資については、前年度予算に盛り込まれた「グリーン・トランスフォメーション・パッケージ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をさらに強化するかたちで、太陽光、水力、海洋温度差発電による再生可能エネルギーの導入を進め、2030年の目標であるエネルギー生産量シェアにおける再生可能エネルギーのシェア60%の達成に道筋をつけたいとした。なお、「グリーン・トランスフォメーション・パッケージ」は3年間で300億モーリシャス・ルピーの投資を生み、3.15%のGDP増加に貢献し、雇用創出にもつながるとしている。

労働力不測の解消については、労働許可証と職業許可証の申請を合理化する改革が盛り込まれている。

(吉川菜穂)

(モーリシャス)

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