ベンガルール国際空港、3年連続で生鮮貨物の取扱量がインド最大の見込み
(インド)
ベンガルール発
2023年05月02日
ケンペゴウダ国際空港ベンガルール(KIA)は、2022年4月~2023年1月の生鮮貨物の取扱量が4万4,143トン(MT)と、インド国内の空港の中で3年連続で最大の取扱量を記録する見込み(4月18日付KIAプレスリリース)。前年度(2021年4月~2022年3月)は5万2,366MTを取り扱った。これにより、KIAはインド全体で28%、南インドでは45%の生鮮貨物市場シェアとなる。
KIAの空港敷地内には専用のコールドゾーンがあり、摂氏8度からマイナス25度までの温度管理ができる施設が整備され、年間6万MTのコールドチェーン貨物を扱うことができる。IoT(モノのインターネット)技術も取り入れられており、医薬・製薬や生鮮品など温度管理が必要な貨物には、貨物の温度データをリアルタイムで記録できるデバイスが取り付けられ、荷主や輸送業者がウェブサイトやモバイルから管理状態を確認することができる。
同空港の主要取扱品目である生鮮品の鶏肉と花卉(かき)以外にも、製薬、エンジニアリング製品、既製服、電気製品も伸びている。主要な輸出先はライプチヒ(ドイツ)、フランクフルト(ドイツ)、ミラノ(イタリア)、シンガポール、ドバイ(アラブ首長国連邦)、輸入元はシンガポール、フランクフルト、ドバイ、香港、バンコク(タイ)となっている。
KIAの現在の貨物処理能力は年間71万5,000MTで、南インドで最大規模だが、拡大する貨物業務のニーズに対応するため、2030年代半ばまでに約150万MTの能力を提供できるよう、貨物インフラのさらなる拡張を目指している。民間による投資も集まっており、2022年7月からUPSがエクスプレスカーゴターミナルの営業を開始し、南インドで唯一、またインド全体では2番目にDHL、FedEx、UPSの大手航空貨物会社が集まる空港となった。2021年10月にはDHL Expressが今後10年間で2,200万ユーロ(約20億ルピー、約34億円、1ルピー=約1.7円)の投資を行い、貨物を取り扱う施設を現在の4倍の11万2,000平方フィート(約1万405平方メートル)への新設と拡張を発表している。
(大野真奈)
(インド)
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