新型コロナ水際対策を全廃、新型コロナ禍前と同様に入国可能に

(チリ)

サンティアゴ発

2023年05月16日

チリ保健省は5月9日、国内の新型コロナウイルス感染状況を最小限に抑えることを目的に導入していた国境保護計画(Plan Fronteras Protegidas)を廃止すると発表した。同省は、5日に世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスについて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を終了するとの発表を受けての決定と説明している。

これにより、国外からの渡航者は新型コロナ禍以前と同じようにチリに入国することが可能となった。チリはこれまで、非居住者に対して、ワクチン接種証明書またはPCR検査の陰性証明書の掲示を必須としていた。ベロニカ・パルド観光次官官房は「水際対策の撤廃により、業界にとっては待ち望んでいた観光の正常化が到来する。2023年は350万人の外国人観光客がチリを訪れると見積もっているが、今回の発表を受け、さらなる増加が期待できるだろう」とコメントした。

一方で、保健省は、国内の新型コロナ感染者は減少傾向にあるものの、他の呼吸器系ウイルスの流行は冬季を前に、既に発生しており、新型コロナやインフルエンザのワクチン接種を行うとともに、パンデミックにより浸透した手洗いや室内換気の励行、呼吸器症状があるときにはマスクを着用するといった衛生対策を維持することが重要と強調した。

(岡戸美澪)

(チリ)

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