シンガポール、新たに2カ国とのカーボンクレジットに関する覚書を発表

(シンガポール、ブータン、ケニア)

シンガポール発

2023年05月22日

シンガポール政府は5月18日、ブータン、さらにはケニアとそれぞれカーボンクレジットに関する覚書(MOU)を交わしたと発表した。

シンガポール貿易産業省(MTI)が発表したプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ブータンとのMOUについて、「パリ協定第6条(注1)に沿ったカーボンクレジットに関するシンガポールとブータンの協力関係を強化するもの」とし、同MOUのもと、2023年末までに、調整カーボンクレジットの国際移転枠組みを定めた法的拘束力のある2国間協定締結に向けて取り組むことに合意した。また、両国は、「国が決定する貢献」(NDC)(注2)の達成を支援する、相互に有益な第6条準拠のカーボンクレジットのプロジェクトを特定する予定だ。

ケニアとのMOUについては、シンガポール外務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、「ベストプラクティスの交換だけでなく、相互利益のために温室効果ガス排出量を削減および除去するプロジェクトに関する協力を含む、パリ協定第6条に基づく協力を促進する」。

シンガポールは2国間でのカーボンクレジットに関する取り組みを進めている。2022年11月には、ガーナとパリ協定第6条に沿った協力的アプローチの実施協定交渉が実質的に合意したことを発表した。MTIやシンガポール国家気候変動事務局(NCCS)によると、シンガポールはこれまで、インドネシア、モロッコ、コロンビア、ベトナム、パプアニューギニア、ペルー、カンボジアと、パリ協定第6条に沿ったカーボンクレジットに関する覚書に署名している。

(注1)パリ協定第6条では、温室効果ガス排出量の取引に関する制度などを規定している。

(注2)パリ協定締約国は、自国の温室効果ガスの排出削減目標などを含む「国が決定する貢献」(NDC)を作成、通報、維持し、また、NDCの目的を達成するため、緩和に関する国内措置を遂行する(第4条2)。

(朝倉啓介)

(シンガポール、ブータン、ケニア)

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