チェコ飲料大手2社、ペットボトルのリサイクル企業に出資
(チェコ、スロバキア)
プラハ発
2023年05月29日
チェコの大手飲料メーカーであるコフォラ・チェスコスロベンスコは5月17日、傘下のコフォラ(スロバキア)とチェコ飲料大手のマットーニ1873が、ペットボトルのリサイクルを手掛けるジェネラルプラスチック(スロバキア)の株式を3分の1ずつ取得したと発表した。ジェネラルプラスチック(GP)の親会社であるGPアライアンスグループが残りの3分の1の株式を引き続き保有する。
コフォラ・チェスコスロベンスコのダニエル・ブリシュ最高経営責任者(CEO)は今回の買収について、「再生ペットボトルの使用を目指す、われわれにとって合理的な選択」で、「容器に対する持続可能な取り組みの一環でもある」と述べている。
ジェネラルプラスチックは、スロバキア西部に2つの拠点を構える。コラーロボ事業所では回収したペットボトルを洗浄・粉砕してフレークを生産しており、セニツァ事業所ではペレットからプリフォーム(注1)を生産している。
今回の買収の関係各社は、今後、ジェネラルプラスチックに数百万ユーロを投資して、フレークをペレットに加工する設備を導入する計画だ。これにより、回収したペットボトルから再生ペットボトルのプリフォームの生産まで一貫して手掛けることが可能になる見込みだ。
マットーニ1873のアレッサンドロ・パスクアレ社長は、スロバキアで2022年1月から導入されたペットボトルのデポジット制度(注2)の成果が想定を上回って推移しているほか、チェコでもデポジット制度の導入の動きが進んでいることについて触れ、「循環型経済を目指す飲料業界にとって良いニュースだ」とコメントしている。
(注1)ペットボトルの材料で、膨らませる前の段階の中間製品。
(注2)容量0.1~3リットルのペットボトルと缶に15セントのデポジットを上乗せする制度。消費者が小売店や回収機で容器を返却すれば、デポジットが返金される。
(志牟田剛)
(チェコ、スロバキア)
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