モロッコ国営リン鉱石公社、採掘拠点に太陽光発電施設を建設

(モロッコ)

ラバト発

2023年04月24日

モロッコの国営リン鉱石公社(OCP)は4月12日、採掘拠点のベンゲリールとクリブガに、4つの太陽光発電施設を建設すると公表した。この建設のため、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)から1億ユーロの融資を受ける。

OCPはリン鉱石採掘、リン酸肥料製造・販売を手掛ける世界大手で、2022年12月に「グリーン投資プログラム」を立ち上げ、2023年から2027年に130億ドルの投資を行うとしている。今回のプロジェクトもこの一部で、総発電容量は202メガワットピーク(MWp)を見込んでいる。2002年に設立されたOCP Green Energy SAが事業を推進する。

OCPの「グリーン投資プログラム」はモロッコ政府の再生可能エネルギー開発計画ともリンクしており、風力や太陽光、コージェネレーション(熱電併給)などを活用して、2027年までに同社の全生産施設にグリーンエネルギーの導入を図る計画だ。同年までにグリーンアンモニアを100万トン、再生可能エネルギーを5ギガワット(GW)、フッ素を2万トン、リン酸鉄リチウムイオンバッテリー用の中間原料を3万トン生産する体制などを整える予定だ。また、工業用水確保のため、海水淡水化施設の生産容量を5億6,000万立方メートルに引き上げる計画もある。

さらに、2030年までにグリーンエネルギーへの移行とグリーンエネルギーを使った肥料の増産を目指し、年間で二酸化炭素(CO2)排出量28万5,000トンの削減が期待されている。2040年までにはカーボンニュートラルを実現させるとしている。

(本田雅英)

(モロッコ)

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