スウェーデンのボルタトラック、オーストリアで電気トラックの生産を開始

(オーストリア、スウェーデン)

ウィーン発

2023年04月20日

スウェーデンの電気商用車両メーカーのボルタトラックは4月18日、オーストリアのオーバーエスタテイヒ州シュタイヤー市に立地するシュタイヤー・オートモティブで、16トンの電気トラック「ボルタ・ゼロ」の商業生産を開始すると発表した。

商用車両の開発・生産に100年以上の経験を持つシュタイヤー・オートモティブは2021年、ボルタトラックから「ボルタ・ゼロ」の生産委託を受けた。2022年秋にプロトタイプが完成し、そのうち何台かが実地試験のために顧客に提供された。注文された車両は、2023年第3四半期から供給される予定だ。2023年には1,300台を生産予定と報じられており、フル稼働では年間最大1万4,000台を生産する予定だ。これにより、シュタイヤー・オートモティブでは700人、サプライチェーンでは2,000人の雇用が創出されると見込まれる。

「ボルタ・ゼロ」は、都市部の物流のために開発された16トンの電気トラックで、最大225キロワット時(kWh)のモジュール式のバッテリーでは、150~200キロの航続距離を持つ。市内運行の安全性向上のために、運転席の位置が普通のトラックより低く、かつ中心に設置され、220度の視野により(歩行者、自転車などが見えない)死角が最小限となる。ボルタ・ゼロは、月額料金にトラック本体、シーメンス製の充電設備とクオバーによる車両保険を含む「トラック・アズ・ア・サービス」として提供される。サービス料、メンテナンス料、トレーニングなども同料金に含まれる。

ボルタトラックは、2019年にスウェーデンで設立された。製造拠点はオーストリアのシュタイヤー市で、サービス・メンテナンス拠点である「ボルタトラック・ハブ」がパリ、ロンドンなどに設置されている。商業生産の発表に当たって、共同創立者で生産・ロジスティックス担当のバリョエン氏は「最初の計画の発表から、設計、開発、品質管理の各段階を経て、量産の開始まで2年半しかかからなかった。これは他のトラックメーカーの半分の時間だ。市場における発売までの早さは、自社とパートナー企業の従事者たちの能力の高さと仕事への献身を反映している。チーム全体はその成果に誇りを持っている」と述べた。

写真 「ボルタ・ゼロ」プロトタイプ生産時の様子(ボルタトラック提供)

「ボルタ・ゼロ」プロトタイプ生産時の様子(ボルタトラック提供)

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア、スウェーデン)

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