ドイツ自動車産業、今後5年間で2,500億ユーロ以上を研究開発に支出

(ドイツ)

ミュンヘン発

2023年04月13日

ドイツ自動車産業連合会(VDA)は4月3日、ドイツの自動車・同部品メーカーが今後5年間に全世界で支出する研究開発費は2,500億ユーロ以上の見込みと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

VDAによると、2023~2027年の5年間に支出予定の研究開発費は、産業構造転換に対応するためのものが主だという。具体的には、特に車両の電動化を進めることを念頭に置いており、バッテリー関連技術や自動運転技術、デジタル化の分野も含めて支出を予定している。2022~2026年の5年間では、約2,200億ユーロの研究開発費が予定されていた。このため、年当たりの支出額は440億ユーロ以上から500億ユーロ以上に増加したことになる。VDAによると、ドイツ自動車産業は研究開発費のほかに、世界での工場の新設や建て替え、設備更新などに、約1,300億ユーロの投資も見込んでいる。

世界の自動車関連研究開発費、ドイツは最大の支出国

VDAは今回、欧州委員会が2022年12月に公開した「The 2022 EU Industrial R&D Investment Scoreboard外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」報告書とその関連データ(注)を基にした分析結果も発表した。それによると、2021年の全世界でのドイツ自動車産業の研究開発費支出は、前年比6%増の452億ユーロだった。これは日本、米国、中国の自動車産業を上回り、世界の自動車産業全体の研究開発費支出の33%を占めた。EU域内では、EU加盟国の自動車産業全体の研究開発費支出の76%にまで高まる。

ドイツの産業全体の中でみても、自動車産業の研究開発が占める位置付けは大きい。ドイツ企業が全世界で支出する研究開発費のうち、自動車産業が占める割合は約50%を占めた(2021年)。

(注)2021年のデータが最新。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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