ドイツの自動車部品関連企業、電動車の需要拡大で受注増

(ドイツ)

ミュンヘン発

2023年04月03日

ドイツの自動車部品メーカーが2022年の業績を相次いで発表している。電気自動車(EV)の需要拡大を受けて、受注額を伸ばしている企業が多い。

シェフラーは3月7日に2022年の業績を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、「Eモビリティ」部門の受注額が50億ユーロだったとした。同部門は、バッテリー式電気自動車(BEV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)・ハイブリッド車(HEV)向け駆動用部品・システムや燃料電池向け部品を手掛け、2022年の売上高が前年比29.9%増の13億4,900万ユーロだった。同社の売上高(2022年)158億900万ユーロのうち、自動車技術部門は95億ユーロ(全体の60.1%)。同社は2022年11月、エンジンなどを手掛ける自動車技術部門の人員を削減すると同時に、BEV関連の投資を積極的に進めることを明らかにしている(2022年11月16日記事参照)。同社の従業員数は8万2,773人(2022年)。

自動車部品大手のZFフリードリヒスハーフェンは3月16日、2022年の業績を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、EV(乗用車・商用車)向けの駆動の受注が300億ユーロ以上になった。同社の「電動パワートレイン技術」部門の2022年の売上高は108億3,900万ユーロで、前年比13.5%増加した。BEVとPHEVの市場拡大の恩恵を受けたとしている。また、2023年2月に発表した、米国半導体大手ウルフスピードとの戦略的提携(2023年2月7日記事参照)について、主としてEV向けのSiC半導体の研究開発を行うとしている。同社の2022年の売上高は438億ユーロで、従業員数は16万4,869人。

軽量化部品、ガスケットなどを手掛けるエルリングクリンガーは3月28日、2022年の業績を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。燃料電池、蓄電池、電気駆動を手掛ける「Eモビリティ」部門の2022年の売上高は4,240万ユーロで、前年比27.8%減少した。売上高全体に占める割合は2.4%。同部門の売上高減少の理由について、同社は、一部顧客のプロジェクト延期によるものとしている。同社は2011年から蓄電池部品を生産し、燃料電池は20年来、手掛けている。同社は「欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の枠組みで連邦政府、州政府から助成を受け、リチウムイオン電池セルケースの開発・製品化を行っている(2021年5月10日記事参照)。2023年は、軽量化部品や「Eモビリティ」部門が売り上げに寄与する見込みとした。同社の2022年の売上高は17億9,840万ユーロで、従業員数は9,540人(2022年末)。

これまでに業績を発表した他のメーカーも、EVの需要拡大を受けて受注額を伸ばしている(2023年3月3日記事参照)。

(高塚一)

(ドイツ)

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