官民パートナーシップ(Shareek)で総額約7兆円の投資計画を承認

(サウジアラビア)

リヤド発

2023年03月10日

サウジアラビア政府は2月28日、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相の立ち会いの下、官民パートナーシップ(Shareek)プログラムの進捗を発表した〔3月1日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

Shareekプログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、2021年3月に皇太子自ら発表した国内大企業向けのプログラムで、国家投資計画(NIS)の下、民間部門の潜在能力を最大限に引き出し、2030年までに5兆リヤル(約180兆円、1リヤル=約36円)の国内民間投資を喚起し、民間部門のGDP貢献度を65%に、非石油輸出を16%から50%に引き上げるという国家改革「ビジョン2030」が定める目標の達成に貢献することを目的とする(注)。現在までに、国内大企業28社がShareekプログラムに登録されている。また今回、プログラムが定める基準を満たす8社、12プロジェクトの枠組み協定が締結された。これらのプロジェクトは、経済成長、産業多角化、イノベーションの促進、官民パートナーシップのさらなる実現に寄与するものとして期待されるとしている。

サウジアラムコ案件が約半数

今回発表された第1弾の支援プロジェクトには、合計1,924億リヤル(約6兆9,264億円)の投資に相当する経済効果が期待されている。具体的には、2030年末までに大企業全体で1,202億リヤルを投じ、2040年までに4,668億リヤル以上のGDP増加と6万4,451人の雇用創出を見込む。

個別プロジェクトの担い手としては、サウジアラムコ(石油化学)が最多の5つのプロジェクトで承認を受けた(添付資料表参照)。同社は、1万人以上の雇用を創出することを計画している。このほか、アクワ・パワー(Acwa Power、エネルギー)、サウジアラビア鉱業会社(Ma'aden、鉱業)、サウジアラビア基礎産業公社(SABIC、石油化学)、アドバンスト・ペトロケミカル(石油化学)、サウジテレコム(STC、通信)、Zain(通信)、Bahri(運輸)のプロジェクトが承認された。今後も、より多くのプロジェクトが発表される見込みだ。

(注)サウジアラビア国内企業と外資系企業による共同事業もShareekプログラムの対象となる。

(秋山士郎)

(サウジアラビア)

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