ルーマニア国防相、フランスと米国の防衛2社と技術移転など協力可能性を協議

(ルーマニア、フランス、米国)

ブカレスト発

2023年02月24日

ルーマニアのアンジェル・ティルバル(Angel Tîlvăr)国防相は2月17~19日にドイツで開催されたミュンヘン安全保障会議の期間中、フランスのエアバスと米国ロッキード・マーティン経営幹部とそれぞれ協議した。同氏は、ルーマニアを含む西側同盟国の軍事能力への要求が高くなっていることを受け、2社とルーマニアの関連産業が技術移転など協力できる具体的解決策の立案を目的に、防衛産業の対応を検討した(国防省の2月20日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ルーマニアでは、エアバスがブラショフ県でヘリコプターのメンテナンス工場(Airbus Helicopters Romania)を2002年に設立、従業員は約170人、軍用民用合わせ12種の機材を対象に、故障対応や技術支援などを約30カ国に提供している。首都ブカレストには、エアバス防衛宇宙ルーマニア(Airbus Defence and Space Romania)を2005年に設立、技術者を中心に80人以上が在籍、同分野のエンジニアリングとサービスのハブになっている。

ロッキード・マーティンは1997年からルーマニアで活動している(2022年5月16日付政府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ルーマニア米国商工会議所(AMCHAM Romania)によると、これまでにブカレスト支社では、三次元長距離レーダーシステム、航空主権オペレーションセンター(ASOC)、C-130輸送機ロジスティック支援、船舶交通管理情報システム(VTMIS)、国家統合気象システム(SIMIN)、領空指揮統制システム(SCCAN)、緊急海域管理国家統合意思決定情報システム(DESWAT)、ギャップフィラーIIレーダーなど開発を手掛けてきた。2022年9月にはクルージュナポカ工科大学の協力で、人工知能(AI)の研究開発分野の投資開始を発表した。ニコラエ・ヨネル・チウカ首相は、産業協力によって付加価値と経済発展に必要な技術移転が生み出されると期待を述べていた(2022年9月13日付政府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(西澤成世)

(ルーマニア、フランス、米国)

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