モルドバ、ロシアのモルドバ政府転覆計画を公表、サンドゥ大統領が声明

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領が2月9日、欧州理事会で、ロシア情報機関によるモルドバ政府転覆計画をウクライナが傍受したことをモルドバのマイア・サンドゥ大統領に伝えたと述べた（「Digi24」2月9日）。サンドゥ大統領はこれを受けて13日の大統領府声明でこの計画の存在を公表し、関係国家機関と国民に警戒を呼びかけた（大統領府ウェブサイト2月13日）。

ロシアによる政府転覆計画が傍受されたのはこれが初めてではなく、サンドゥ大統領はDigi24のインタビューで、2022年11月にもロシア情報機関とモルドバの親ロ派が結託してエネルギー価格の大幅な上昇などに見られる高インフレに対する抗議活動を扇動し、政府転覆を図るという同様の計画があったと述べていた。

サンドゥ大統領は今回の声明で、当時はモルドバの治安機関がこの策略を防いだが、ロシアの今後の計画には、軍の訓練を受けて私服でカモフラージュした者らが暴力や破壊行為、人質を取るなどの挙に出る可能性があると述べた。また、ウクライナから入手した文書には、ロシアやベラルーシ、セルビア、モンテネグロといった国々からモルドバに潜入する方法も記述されているとした。サンドゥ大統領は治安機関はじめ、全ての国家機関に最大限の警戒を求め、国民にはロシアのプロパガンダに細心の注意を払うよう求めた。

一方、ロシア外務省は2月14日に報道官談話を発表し、同計画について根拠も確証もないとして否定した。

（西澤成世）