規制強化で中古車の輸入が半減、新車の輸入は倍増

(コートジボワール)

アビジャン発

2023年02月17日

コートジボワール税関総局から入手した自動車輸入統計によると、2022年の新車輸入台数は前年比約21%増の35,098台、中古車輸入台数は同約30%減の14,818台だった。車両の輸入にかかる関税収入はそれぞれ、約10%増の1,1611,300CFAフラン(約255億円、1CFAフラン=約0.22円)、約27%減の4301,670CFAフランとなった。中古車の輸入規制が強化され始めた2018年と比べると、新車は約2.5倍に増え、中古車は約69%減少している。

政府は、自動車走行の安全や環境対応を強化するため、老朽車両の更新に取り組んでいる。その一環として、2018年に中古車の輸入規制を強化するとともに、国内の事業用車両の運行に年式規制を導入した。併せて、公共交通機関の近代化を目指し、新車調達に対し、対象車両の関税引き下げやファイナンスリースを提供してきた。

政府によるこうした需要喚起もあり、公共交通機関向けが新車の販売台数を下支えしているとされる。特に、中古車が主流だったタクシー業界のほか、配車サービスなどの業務用途がABセグメントを中心に新車市場に移行してきている。また、中古車輸入規制のタイミングで中間所得層の需要を狙い、各メーカーがエントリーモデルや低価格モデルを投入したほか、新車ローンをうまく組み入れたことも、中古車市場のユーザーが新車市場に流れ込んだ要因として挙げられている。そのほか、中間所得層の増加による消費者の購買力向上やユーザー需要の多様化も、新車購入を後押ししているとみられている。

従来、中間所得層でも手の届く車両の多くは低年式車だった。コートジボワール運輸省によると、2018年当時、コートジボワールで走行する車の8割弱が年式1620年に達していたが、最近は新車も安価になっており、これまで中古車しか買うことができなかった購買層でも手の届く水準になっているという。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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