上海港コンテナ取扱量、13年連続で世界一

(中国)

上海発

2023年01月10日

中国の港湾運営会社である上海国際港務(SIPG)は1月1日、2022年の上海港のコンテナ取扱量が4,730万TEU(20フィートコンテナ換算)を超え、13年連続で世界1位を記録したと発表した。2022年第1四半期(1~3月)が好調な滑り出しとなり、7月のコンテナ取扱量は430.3万TEUと同月における過去最高の取扱量となった。9月8日と11日には、それぞれ16万TEUと17万TEUに上り、1日の取扱量の新記録を樹立したと発表した。

さらに、上海国際港務は「世界トップのハブ港、スマート・グリーン港湾、安全で強靭(きょうじん)化した港」の実現を今後も促進していくとした。また、上海洋山深水港第4期における自動化コンテナターミナルの効率的かつ安全な運用によるコンテナ取扱量の増加や、上海市のロックダウン時から運用を開始した「電子防疫パス」(注)の導入により、グローバルサプライチェーンの安定化に積極的な貢献をしたことなどの成果を強調した。

港湾および海運に関する世界最古のジャーナルである英国ロイズ・リストが2022年8月18日に発表した「世界のコンテナ港湾取扱量上位100港(Lloyd's List One Hundred Ports)2022年版」では、2022年前半の新型コロナウイルスに起因するロックダウン時に、上海港区内で影響を受けた施設の作業効率は通常の25~50%低下し、4~5月の2カ月間で100万TEUの取扱量を喪失したと分析した。

同じくロイズ・リストが12月22日に発表した「Outlook 2023」における調査結果では、今後2年間で海運市場に影響を与える最も重要なマクロ要因は、インフレの影響(34%)に次いで、中国経済成長の鈍化(33%)があげられており、中国経済の動向、新型コロナへの防疫政策の動向に関心が高まっている。

(注)コンテナ車両の物流回転効率を向上するため、PCR検査結果データ、上海市の健康コード(随申コード)情報と電子引き渡し伝票の情報を統合することにより、輸送ドライバーの携帯端末で使用するプラットフォーム。2022年3月29日から上港集団により正式運用が開始された。

(神野可奈子)

(中国)

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