タンソンニャット国際空港、新ターミナル建設が着工
(ベトナム)
ホーチミン発
2022年12月28日
ベトナムのホーチミン市で12月24日、タンソンニャット国際空港に新設される第3ターミナルの建設プロジェクトが着工した。同ターミナルは2年の建設期間を経て、2024年末までに試験運用を開始する予定だ。同日付の政府公報などが伝えた。
同建設プロジェクトは、2020年5月に投資方針が承認されて以降、土地収用や整地、行政手続きに時間を要して着工が遅れていた。2022年7月時点では第3四半期中(7~9月)の着工が目指されていたが(2022年7月20日記事参照)、2022年12月の着工となった。
プロジェクトの総投資額は10兆9,900億ドン(約615億円、1ドン=約0.0056円)。第3ターミナルの総床面積は11万2,500平方メートルで、地下1階と地上4階建ての設計となっている。年間2,000万人の収容能力を有し、ピーク時には7,000人の旅客に対応可能となる。
タンソンニャット国際空港の第1ターミナル(国内線)は、設計上の年間収容能力が1,500万人であるのに対し、現在の年間旅客数は2,600万人を超えている。設計能力の約1.7倍に達し、慢性的な過負荷状態にある。新設される第3ターミナルは国内線の運航が予定されており、同ターミナルの完成で混雑の緩和が期待される。また、設計能力以上の旅客利用により、空港周辺エリアでは頻繁に渋滞が発生している。この状況を改善するため、空港に接続する交通網を整備する建設プロジェクトも同日に着工された(「トイチェ」紙12月24日)。
タンソンニャット国際空港は今後、既存ターミナルの改修や滑走路および誘導路の拡張なども通じて、空港全体で年間5,000万人の収容能力を確保する予定だ。また、ホーチミン市に隣接するドンナイ省では、ロンタイン国際空港が2025年の完成を目指して建設中だ(2021年1月13日記事参照)。ベトナム南部における主要国際空港の役割はロンタイン国際空港に移行する計画となっており、同国際空港での運用が始まり次第、タンソンニャット国際空港は国内線が主体となる予定だ(注)。
(注)ロンタイン国際空港での運航は、国際線9割、国内線1割となる計画。これに合せて、タンソンニャット国際空港での運航は、国際線1割、国内線9割に変更される予定。
(阿部浩明)
(ベトナム)
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