第61回メルコスール首脳会合、ウルグアイと他の加盟国が異なる声明を発表

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビア)

ブエノスアイレス発

2022年12月28日

12月5日にメルコスール加盟国の外相、経済相らによる共同市場審議会(CMC)が、12月6日に第61回メルコスール首脳会合がウルグアイの首都モンテビデオで開催された。

会合後、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイとボリビアが共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表する一方、ウルグアイは単独で声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(注)。

両者の声明は以下の項目により構成されている。

  • 経済関連:対外共通関税率、メルコスール原産地規則の見直し、サービス貿易、自動車産業、製糖産業、規制関連、メルコスール企業家フォーラム、メルコスール構造統合基金(FOCEM)
  • 組織関連:メルコスールの機構改革、メルコスール社会研究所(ISM)、メルコスール常設代表委員会(CRPM)、メルコスール・コミュニケーション・ポリシー、協力、グリーン・アジェンダ、環境、デジタル・アジェンダ、インフラ、エネルギー、メルコスール社会経済協議フォーラムとの対話、商業とジェンダー、対外通商交渉
  • 市民権関連ほか:保健、国境統合、ボリビアの加盟

両者の声明の内容はほとんど同じだが、対外共通関税率、メルコスール原産地規則の見直しについて内容が異なったことに加えて、ウルグアイは、メルコスールの近代化と柔軟化の重要性をあらためて強調した。また、自由貿易圏としてのメルコスールの改善について1年以内に域内貿易に適用される全ての制限を撤廃することを提案した。

対外共通関税率については、ウルグアイを除く4カ国が「対外共通関税率の整合性と散逸に関するアドホック・グループ(GAHAEC)での議論を継続することで一致した」とする一方、ウルグアイは「加盟各国が異なる税率を導入している現状を考慮すると、メルコスールが関税同盟に移行していないことは明らかであり、またその意思もない」と批判した。

メルコスール原産地規則の見直しについては、ウルグアイを除く4カ国が「メルコスール原産地規則の見直しに関する交渉で得られた合意を歓迎するとともに、保留事項に関する作業を継続する必要性を強調した」とする一方、ウルグアイは「加盟国の経済規模の違いを考慮した特別かつ差別化された待遇の必要性をあらためて指摘した」とした。

(注)ボリビアは、メルコスールの準加盟国。

(西澤裕介)

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビア)

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