北欧、バルト海での水素インフラ整備加速
(フィンランド、ドイツ、ポーランド、 エストニア、ラトビア、リトアニア)
ロンドン発
2022年12月27日
フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ドイツのエネルギー系統運用者は12月14日、水素インフラ整備に向けたプロジェクト「北欧・バルト海水素回廊」に関する協力協定に調印した。調印したのは、フィンランドのガスグリッド、エストニアのエラリング、ラトビアのコネクサス・バルティック・グリッド、リトアニアのアンバーグリッド、ポーランドのガズシステム、ドイツのオントラス。各事業者は「リパワーEU」(2022年5月20日記事参照)の目標に向け、フィンランドからエストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドを通過してドイツまでを結ぶ水素インフラの整備に関して連携する。バルト海沿岸で製造したグリーン水素は中欧だけでなく、回廊沿いの消費地や産業クラスターにも供給する。2023年中に予備調査を行うとしている。
また、フィンランドのガスグリッドは、スウェーデンのエネルギー企業ノルディオン・エネルギ、フィンランドの再生可能エネルギー企業OX2、デンマークの再生可能エネルギー関連投資ファンドマネジャーのコペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーと「バルト海水素コレクター(BHC)」プロジェクトの立ち上げを発表。同プロジェクトでは、2030年までにフィンランド本土、スウェーデンとフィンランド領オーランド諸島、ドイツを結ぶオフショアパイプラインを建設するとしている。BHCを通じ、ボスニア湾やバルト海の洋上風力発電のポテンシャルを生かし、供給地と需要地を結びつけることで、グリーン水素市場を構築するとしている。将来的にはスウェーデン、デンマークの諸島部との接続も視野に入れている。
(島村英莉、半井麻美)
(フィンランド、ドイツ、ポーランド、 エストニア、ラトビア、リトアニア)
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