セネガルのサル大統領が訪日、日本との協力強化で一致

(セネガル、日本、アフリカ)

アビジャン発

2022年12月22日

セネガルのマッキー・サル大統領は121720日、日本を訪問した。大統領は19日に行われた岸田文雄首相との首脳会談で、自由、民主主義、法の支配、グッドガバナンスといった基本的価値と原則を共有する「戦略的に重要なパートナー」として、開発やビジネス促進、人的交流といった幅広い分野で日本との協力を強化するとした。

両首脳は、82728日にチュニジアで開催され、両首脳が共同議長を務めた第8回アフリカ開発会議(TICAD82022年8月29日記事参照)の成功を称賛した上で、この成果を今後の日・アフリカ関係の強化につなげるとした。また、岸田首相は近年の国際社会におけるアフリカ諸国の役割増大を踏まえ、アフリカのG20参加支持を表明した。

今後の2国間協力についても協議。両首脳は、日本企業によるセネガルへのさらなる投資促進に向け、日・セネガル投資協定の交渉や、石油・天然ガス開発を見据えた日本企業の活動の促進、日・セネガル経済委員会を通じたビジネス環境の改善など、継続的な協力の必要性を確認した。

国際舞台での協力についても協議し、サル大統領は、世界エイズ・結核・マラリア対策基金への今後3年間で最大108,000万ドルの拠出や、アフリカ開発銀行の緊急食糧生産ファシリティーとの協調を通じた3億ドルの食料生産強化支援について、日本のコミットメントを評価した。新型コロナウイルスについては、岸田首相がワクチン製造や研究、能力強化の活動を含め、医薬品へのアクセス改善に向けた協力の必要性を強調した。

また、岸田首相は、サヘル地域を含むアフリカの平和と安定に向けたセネガルの貢献を高く評価した。同地域ではここ数年、テロやクーデターが相次いでいるが(2022年11月22日記事参照)、両首脳はアフリカの平和と安定が国際社会全体にとっても重要との認識で一致した。

なお、サル大統領の訪問中、総額約450CFAフラン(約90億円、1CFAフラン=約0.2円)を限度額とする教育セクターへの新規円借款と、総額約70CFAフランを限度額とするジャムニャジョ地方の国立水産物分析所建設計画への無償資金協力に関する書簡の交換が行われた(添付資料参照)。

(安藤真由美、渡辺久美子)

(セネガル、日本、アフリカ)

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