ウルグアイの12月CPTPP加入申請、メルコスールとの関係が焦点に
(ウルグアイ、メルコスール)
ブエノスアイレス発
2022年11月25日
ウルグアイのルイス・ラカジェ・ポウ大統領は11月18日、与野党の代表者を招集し、今年12月1日に環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)への加入申請を行う旨を伝えた。大統領府が発表した。
与党・国民党のほか、与党連合・多色連合を構成するコロラド党、カビルド・アビエルト党、独立党、人民同盟、野党連合・左派戦線の代表者らが参加した。11月18日付の現地紙「エル・オブセルバドール」(電子版)は各党の代表者の反応を伝えている。与党連合の一部と野党連合からは、2023年1月1日に新政権が発足するブラジルの反応を心配する声、国際市場へ参入するためのプラットフォームとしてはメルコスールを重視すべきであり、CPTPP加入には慎重な検討を要するとの声が聞かれた。また、2022年11月23日付の同紙電子版は、ウルグアイのCPTPP加入による同国経済への影響について、経済財務省、外務省、米州開発銀行(IDB)がそれぞれ実施した3つの調査報告書が存在し、いずれの調査報告書も「CPTPPへの加入によりいくつかの国内規則の修正は必要だが複雑ではない」と加入を前向きに評価したと伝えている。
ウルグアイの通商問題に詳しい識者にジェトロが11月21日に聞いたところ、「CPTPPは、日本市場などにおいてウルグアイ産品が競合するオーストラリア、ニュージーランド産品と競争する上で重要だが、CPTPPへの加入には参加国全ての承認が必要で、関税同盟メルコスールの一員であるウルグアイの単独加入をCPTPP参加国が認めるかどうか分からない。いずれにせよ、加入には長い時間がかかるだろう」との見方を示した。
(西澤裕介)
(ウルグアイ、メルコスール)
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