COP27で日本企業が気候変動を議論

(エジプト、日本)

カイロ発

2022年11月15日

エジプトで116日から開催されている国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)では、各国機関・企業が展示やイベントを通じて気候変動に関する情報を発信している(2022年11月8日記事参照)。日本の企業・団体も連日、イベントを開催、気候変動を議論している。

7日には三菱重工業が脱炭素素材をテーマにイベントを実施した。同社に加え、世界鉄鋼協会、建材メーカーのホルシム(スイス)、エンジニアリング会社のプライメタルズ・テクノロジーズ(英国)のサステナビリティーや、グリーン鉄鋼の担当者が参加したパネルディスカッションでは、鉄鋼などの産業財生産での水素活用と、二酸化炭素(CO2)の回収・有効利用・貯留(CCUS)の両立の必要性や、サステナビリティーに関する欧州と米国の政策アプローチの違いとあるべき姿、中東・北アフリカ(MENA)地域の成長ポテンシャルについて議論が行われた。

写真 三菱重工業イベントの様子(ジェトロ撮影)

三菱重工業イベントの様子(ジェトロ撮影)

COP27では日ごとにテーマが設定されており、9日の「ファイナンスデー」には、三菱UFJ銀行がイベントを実施した。パネルディスカッションには、同行をはじめとする民間企業のほか、OECDなどの国際機関やアカデミアが参加し、持続可能な社会への早急な移行と、移行の悪影響を最小限に抑えるマネジメントなどが議題となった。香港上海銀行(HSBC)や資産運用会社のブラックロック(米国)は、実際に投資・融資する立場として、各企業が「気候変動への取り組みと業績の拡大を関連付け、両立させているか」「気候変動対策に関するデータの開示や、脱炭素世界への道筋をどう描いているか」を重視すると述べた。

写真 三菱UFJ銀行イベントの様子(ジェトロ撮影)

三菱UFJ銀行イベントの様子(ジェトロ撮影)

11日の「脱炭素デー」では、国際協力機構(JICA)がエジプトでのグリーン水素開発をテーマとしたイベントを実施した。水素の生産・活用について、燃料電池車や水素自動車、充電ステーションネットワークなど、日本が豊富な経験を有することについて言及された。また、北九州市が岩谷産業などと連携し、水素社会実現に向けて行っている実証実験も紹介された。

(塩川裕子)

(エジプト、日本)

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