ダイキン、インドネシアで新工場設立へ

(インドネシア)

国際経済課

2022年11月25日

大手空調機メーカーのダイキン工業(本社:大阪府大阪市)の峯野義博副社長は1122日、東京都内で開催された「インドネシア投資フォーラム」(主催:インドネシア投資省、日本経済新聞社)で講演を行った。同社が18日に発表したジャカルタ近郊における空調機の新工場設立プロジェクト(同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)につき、投資額は約300億円で、202412月の稼働を目指すと説明した。

写真 講演を行うダイキン工業の峯野義博副社長(ジェトロ撮影)

講演を行うダイキン工業の峯野義博副社長(ジェトロ撮影)

峯野氏はインドネシア市場の魅力を、「世界第4位の人口を擁するとともに、所得の向上に伴い、今後は地方部での空調機需要の増加が見込まれる」と説明した。また、同国の市場に出回っている約9割の空調機にはインバータ(注)が備わっていないと指摘し、「当社がインバータ付き空調機を販売することで、市場を変え、さらには同国のカーボンニュートラルにも貢献したい」と語った。直近では、競合他社が電子商取引(EC)での販売を行っているとした上で、峯野氏は「販売店とともにEC参入を検討したい」と話した。

峯野氏によると、同社はサプライチェーン構築にあたり、市場ニーズがある場所で生産を行い、現地販売店に直接販売する「地域最寄り化生産戦略」を掲げている。同社は、世界各地でサプライヤーを育成し現地調達率を高めた結果、コスト競争力が高まったことに加え、新型コロナ禍においても生産停止に追い込まれる工場はなかったという。一方、インドネシアは裾野産業が発達段階だとして、峯野氏は、同国政府当局に対し「当面は(部品の)輸入ライセンスを認めてほしい」と訴えた。同国では、空調機の輸入承認が当局により認められなかった事例も過去に発生している(2021年2月8日記事参照)。

(注)空調機の圧縮機の制御を行う仕組みで、省エネ性能を高めることが可能。

(上野渉)

(インドネシア)

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