オミクロン型変異株に対応の新型コロナ2価ワクチンを承認

(チリ)

サンティアゴ発

2022年10月03日

チリ公衆保健院(ISP)は9月29日、新型コロナウイルスワクチンのモデルナ製とファイザー・ビオンテック製のオミクロン型変異株対応の2価ワクチンの緊急使用を承認したと発表した。2価ワクチンは従来株とオミクロン株に由来する2つの成分を入れたもので、従来型の新型コロナ株と変異型のオミクロン株(BA.1)の両方に対する免疫を獲得することを目的としている。

接種対象年齢はファイザー・ビオンテック製が12歳以上、モデルナ製が18歳以上となっている。接種対象年齢の違いについて、ISPは、両研究所が提出したワクチンの安全性と有効性に関する臨床データや、用量の違い、欧州医薬品庁(EMA)や米国食品医薬品局(FDA)などの機関による承認に基づいていると説明している。

2価ワクチンの接種開始時期について、保健省は9月23日の定例会見で、詳しい接種スケジュールを近く発表するとしている。接種対象は高齢者などのリスクの高い者を中心とする意向だ。

また、チリ保健省は23日、ファイザー製の2価ワクチン約33万回分が既にチリに到着したと発表した。ヒメナ・アギレラ保健相は、チリは中南米で初めて2価ワクチンの接種を実施する国となるだろうとコメントし、同ワクチンの使用により、国内で主流となっているオミクロン型変異株への感染予防効果が期待されると強調している。

(岡戸美澪)

(チリ)

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