国際カカオ機関が2021/2022年度のカカオ豆需給予測を発表
(コートジボワール、ガーナ)
アビジャン発
2022年10月06日
コートジボワールに本部を置く国際カカオ機関(ICCO)は9月、2021/2022年度(2021年10月~2022年9月)のカカオ豆需給予測を発表した。同機関によると、カカオ市場は、消費に回復が見られる一方、世界生産の4割を占めるコートジボワールや2割を占めるガーナなど主産地の西アフリカで生産が減少し、需給がタイトになっている。
2022年5月の発表では、世界の需給バランスを17万4,000トンの供給不足と予測していたが、世界最大の生産国コートジボワールを中心に生産が減少したことから、供給不足を23万トンに上方修正した。
世界の生産量は、489万トンと前年度比6.8%減少する見通しだ。生産量の減少は、ウクライナ情勢の影響で農業投入物の価格が高騰した結果、肥料の使用量が減少したことに加えて、気象条件の悪化や病害の影響に起因する。特に世界2位の生産国であるガーナの生産量が68万9,000トンと34.2%減少し、全体を押し下げた。
チョコレートやココア製品需要の先行指標となる世界の磨砕量は、507万トンと前年度比1.5%増の予測だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響でカカオ豆の需要が低迷していたが、段階的な経済活動の再開でカカオ需要が穏やかに回復しつつあることをその要因としている。ウクライナ情勢の影響で、エネルギーコストの高騰やサプライチェーンの混乱、金利上昇など投入コストが上昇する中、これまでのところ、影響は限定的としている。もっとも、今後の世界経済の状況次第でカカオの需要は変化することも指摘している。なお、世界在庫量は168万トンと12%減少する見通しだ。
(渡辺久美子)
(コートジボワール、ガーナ)
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