エネルギー価格高騰に対する中小企業支援策を発表

(ルクセンブルク)

ブリュッセル発

2022年10月07日

ルクセンブルク政府は9月29日、エネルギー価格高騰による経済的な影響を踏まえ、中小企業向けの一連の支援策となる「中小企業パッケージ」を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。今回の政策は、9月28日に政府が発表した、家計と企業に対するインフレ圧力を緩和させるための政策パッケージ(2022年10月7日記事参照)に加えて実施されるもの。中小企業(注)が、特にエネルギー転換やデジタルトランスフォーメーションといった昨今の課題に対応し、ビジネスの機会の創出を支援する。

同支援策は、以下の3つのカテゴリーから構成され、対象となる企業は、プロジェクトの実施に当たって、最大2万5,000ユーロの補助を受けることができる。

  1. 持続可能性:特にエネルギー、水、廃棄物、カーボンフットプリントに関して、環境負荷の軽減につながる具体的なソリューションを通じて、企業の活動を持続可能なものへ移行。目下のエネルギー危機を踏まえ、エネルギー効率の向上につながる支援を優先して実施。
  2. サービス:「雰囲気」「顧客との関係」「製品」を軸とした、顧客へのロイヤリティーを高める顧客体験の向上につながる支援。
  3. デジタル:デジタルマーケティング、電子的な管理、電子請求書など、企業パフォーマンスの向上につながるデジタルツールの導入支援。

レックス・デレス中小企業相は、中小企業に特化した今回の支援策について、企業が置かれた経済環境を踏まえたもので、中小企業に的を絞った効果的な支援が提供できる、と評価した。今回の支援策の策定に関与したルクセンブルク商工会議所および手工業者商工会議所も、同支援策は中小企業のニーズに即した内容であり、既存の支援策を補完するかたちで具体的な成果が期待できるとしている。

(注)ルクセンブルク政府の定義では、従業員数が250人未満で、年間の売上高が5,000万ユーロ未満もしくは総資産額が4,300万ユーロ未満の企業を指す。

(大中登紀子)

(ルクセンブルク)

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