ホーチミン市環状道路3号線、ドンナイ省との間で着工

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年10月07日

ベトナム交通運輸省は9月24日、ホーチミン市およびドンナイ省の各人民委員会と共同で、ホーチミン市環状道路3号線(注1)のタンバン~ニョンチャック間の起工式を開催した。環状道路3号線のうち、今回着工した建設プロジェクトは、ホーチミン市と同市に隣接するドンナイ省を通過する区間となる。

同プロジェクトの道路全長は8.22キロで、区間内にニョンチャック橋(2.6キロ)の建設が含まれる。ホーチミン市とドンナイ省は川により隔てられており、現在、両省・市を陸路で結ぶのはドンナイ橋やホーチミン~ロンタイン高速道路のロンタイン橋などがあるが、ルートが限られているため交通量が集中し、渋滞が発生しやすい状況にある。ニョンチャック橋の建設は、両省・市における新たな交通・物流ルートとして期待されている。

総投資額は約6兆9,600億ドン(約425億円、1ドン=約0.0061円)で、韓国の対外経済協力基金(EDCF、注2)から約4兆2,000億ドン(約256億円)が供与され、残りをベトナム中央政府とホーチミン市、ドンナイ省が出資する。

起工式の中でレ・アイン・トゥアン交通運輸副大臣は、ベトナム南東部地域は全国のGDPの約34%を占め、重要な地域の1つでありながら、交通インフラが過負荷状態にあり、接続性に欠けていると話した(ドンナイ省ウェブサイト9月24日)。交通運輸省で同建設プロジェクトのダイレクターを務めるチャン・バン・ティ氏は、環状道路の開発は渋滞の緩和や物流の発展に寄与するとし、ドンナイ省で建設中のロンタイン国際空港(2021年1月13日記事参照)とのアクセス面でも利便性が向上すると述べた(「トイチェ」紙9月24日)。

なお、建設期間は3年とされているが、現状の用地収用は道路全長の34.5%(2.84キロ)にとどまっている。交通運輸省はホーチミン市とドンナイ省に対し、2022年第4四半期に全ての用地収用を完了するよう要請した。

(注1)環状道路3号線は、建設プロジェクト全体ではホーチミン市、ビンズオン省、ドンナイ省、ロンアン省の4つの省・市を通過する計画となっている。

(注2)Economic Development Cooperation Fundの略。韓国の有償資金協力基金。

(阿部浩明)

(ベトナム)

ビジネス短信 72aa2e64d90d66c2