中小企業向けにエネルギー費用増加分の半額補助

(オランダ)

アムステルダム発

2022年10月24日

オランダのミッキー・アドリアーンセンス経済・気候政策担当相は10月14日、エネルギー集約型中小企業に対してエネルギー費用の増額分の半額を最大16万ユーロまで負担する外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。

全世帯と小口需要家向けにエネルギー価格上限を設定することを発表しており(2022年10月7日記事参照)、検討中だったエネルギー集約型の中小企業向け措置の詳細が明らかになった。

エネルギー集約型中小企業は、エネルギー費用補助制度(TEK)を通じてエネルギー価格の閾値〔いきち、ガス1立方メートル当たり1.19ユーロ、電気1キロワット時(kWh)当たり0.35ユーロ〕を超えるコスト上昇分の半額の補助を受けることができ、最大16万ユーロの補助が支給される。適用期間は11月~2023年12月の予定。オランダ商工会議所(KVK)に登録されている従業員数250人以下の企業を対象としており、補助の要件は、エネルギー費用の売上高に占める割合が12.5%以上であることに加えて、年間消費量がガスで5,000立方メートル、または電力で5万kWhを超えている場合。

政府はパン屋などの小規模事業者や製造業、農業事業者などを含む数万社がTEKを利用できるようになると予想しており、TEKにかかる費用は総額約31億ユーロとなる見込み。

TEKの開設は企業支援に関するEUの国家補助規制に準拠し、欧州委員会が承認する必要があるため、2023年第2四半期(4~6月)までかかる可能性がある。補助はさかのぼって支給されるが、開設までの措置として納税延期の要請を受け付ける。また、銀行などの金融機関も前払い金の要求に迅速かつ柔軟に対応する予定だとした。

TEKスキームはオランダ企業庁(RVO)により運営され、起業家向けウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開設されている。申請はまだ受け付けていないが、中小企業は同ウェブサイトで企業情報などを登録すると、TEK開設の最新情報を受け取ることができる。

(浅見早映)

(オランダ)

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