英内務相が電撃辞任、主要閣僚の交代は2人目

(英国)

ロンドン発

2022年10月20日

英国のスエラ・ブレイバマン内務相は1019日に突如、辞任を表明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同氏はエリザベス・トラス首相に宛てた書簡の中で、辞任の理由について、移民に関する公式文書を私用のメールで送信したことによる規則違反の責任を取ったとしている。

他方、ブレイバマン氏は書簡の中で、政府の活動は、過ちを認められる人々の下に成り立つものだとしたほか、現政権の方向性に対し懸念を抱いているとも述べた。移民の流入数の削減や不法移民の阻止など、総選挙の際の公約への政府のコミットメントに対して深く懸念しているとつづった。ブレイバマン氏は移民政策をめぐってトラス首相と対立していた、と報じられている。

後任には、前政権で運輸相を務めたグラント・シャップス氏が任命された。同氏は、保守党党首選でジェレミー・ハント財務相と同様にリシ・スーナック氏を支持していたことから、トラス首相が、党内のより幅広い層からの支持を得ようとしている、との報道がみられる(「ガーディアン」1019日)。

1014日にはクワシ・クワルテング前財務相が解任されており(2022年10月17日記事参照)、トラス政権は発足からわずか6週間で主要閣僚が2人交代する事態となった。19日に下院で投票が行われ、一部報道ではトラス首相への不信任投票ともみなされていたフラッキング禁止法案は反対多数で否決されたものの、引き続き政権運営は困難を極めそうだ。

(山田恭之)

(英国)

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