サル痘ワクチン、10月から接種開始へ

(チリ)

サンティアゴ発

2022年09月13日

チリ保健省は9月9日、サル痘のワクチン接種をチリ公衆保健院(ISP)によるワクチンの登録と承認を経て、10月から開始すると発表した。接種に使用されるワクチンは、デンマークのバイオ医薬品会社ババリアン・ノルディックが開発した「インバネックス」(米国での販売名「ジンネオス」)で、汎(はん)米保健機構(PAHO)のリボルビングファンド(回転基金)を通じて調達される。

チリ保健省の発表によると、第1段階の接種対象者としては、世界保健機構(WHO)とワクチン諮問委員会(CAVEI)の勧告に従って、サル痘感染者の濃厚接触者のうち免疫不全症患者、後天性免疫不全症候群(HIV)患者、妊婦への接種が行われる。続く第2段階として、感染リスクが高いとされる性的接触を持つ者、サル痘ウイルスのサンプルを取り扱うなど職業上のリスクがある者への接種を行う。

なお、保健省は準備が整い次第、予防接種プログラムの詳細を発表するとしている。

国内のサル痘感染者数は9月8日時点では575人で、うち6人が入院しており、死者は今のところ確認されていない。感染者のうち88.4%が首都圏州に集中しており、98.1%が男性となっている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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