エジプト中銀が輸入時の外貨取引規制を緩和
(エジプト)
カイロ発
2022年09月27日
エジプト現地メディアによると、エジプト中央銀行(CBE)は9月19日、輸入における外貨取引規制の改正を国内銀行に通知した。CBEは2022年3月から輸入取引時の信用状(L/C)決済を義務化したが(2022年2月17日記事参照)、L/C発行の遅れにより輸入が停滞していた(2022年6月24日記事参照)。今回、輸入貨物の港での滞留や、輸入品や原材料不足で生産の減った工業製品や消費財の不足を受けて、外貨取引規制の緩和に踏み切ったとされる。
CBEからの正式な発表は9月26日現在で出ていないが、9月19日から適用される内容は以下のとおり報道されている。
- 港に滞留している貨物の支払いについて、国内の銀行口座に保有する外貨残高を利用したL/Cの新規開設を可能とする。
- 海外に親会社のあるエジプト国内子会社は、親会社がエジプト国内の銀行に保有する外貨を輸入決済に充てることを可能とする。また、貸付期間が1年間を超えることを条件に、国内子会社が海外の親会社からの貸付金を輸入決済に使用することを認める。
- 海外の取引先からの送金、配当、増資資金などの外貨を輸入決済に使用することを認める。
- 現地製部品と外国製部品をエジプト国内で完成品に組み立てる電子製品について、輸入される外国製部品はL/C決済義務化の規定から除外する。
- 近隣諸国(イエメン、イラク、シリア、スーダン、リビア、パレスチナ自治区)に輸出する企業については、当該輸出から得られる外貨収入を輸入決済に使用することを認める。
- 2万5,000ドルを超えない範囲の個人利用品について、6カ月に1回に限りL/Cを利用せずに輸入できる。
(塩川裕子)
(エジプト)
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