米国の再生可能エネルギー関連展示会、2年ぶり開催

(米国)

ロサンゼルス発

2022年09月30日

ソーラーパネルをはじめとする再生可能エネルギー関連製品の展示会「RE+」が9月19~22日、米国カリフォルニア州のアナハイム・コンベンション・センターで開催された。同展示会はクリーンな未来を育むことを目的とした北米最大級のイベントとされており、太陽光発電を扱う「ソーラー・パワー・インターナショナル(SPI)」や、エネルギー貯蔵に関する「エナジー・ストレージ・インターナショナル(ESI)」など、複数のイベントによって構成された。展示会には800社を超えるメーカーが参加し、中国や韓国、カナダ、スペインなどからも参加した。ソーラーパネルや風力発電、モジュールなどの発電システム、蓄電池や電気自動車(EV)機器の展示や商談会がみられたほか、産業界の関係者向けのワークショップも数多く開催された。

写真 GEのソーラー・インバーターの展示(ジェトロ撮影)

GEのソーラー・インバーターの展示(ジェトロ撮影)

写真 燃料電池の特設ステージ(ジェトロ撮影)

燃料電池の特設ステージ(ジェトロ撮影)

また、9月19~21日には無排出車のバス(ZEB:Zero Emission Bus)を集めた展示会「ZEB Con 2022」も同会場で開催され、EVや燃料電池車の公共バスや学校のバスの展示が行われた。

RE+の前身である「北米スマート・エナジー・ウィーク(North America Smart Energy Week)」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年はバーチャルでの開催だった。また、2021年は開催予定地のニューオーリンズ近辺で発生したハリケーンの影響により中止されたことから、2年ぶりの開催となった。2019年は700社を超える展示があり、1万9,000人が来場したが、2022年は4日間で800社を超える展示と2万7,000人を超える来場者数を記録し、過去最大規模での開催となった。

今回の展示会では、新型コロナウイルスワクチン接種の証明やマスク着用などの義務はなく、平常時に近づいているように見受けられた。会場内でのワークショップやデモでも大きな人混みとなり、他人との距離や会話を控えるといった新型コロナ禍でみられた行動様式もあまり見られなかった。

RE+で開催されたワークショップでは、ソーラーエネルギー産業協会(SEIA)が、8月に成立したインフレ削減法が米国の再生可能エネルギー関連市場にもたらす影響について報告した。同法の影響などによって再エネ市場が拡大するとの内容は、関係者の関心を集めた。

また、会期中には非営利組織「カリフォルニア燃料電池パートナーシップ」が組織名を「水素燃料電池パートナーシップ(HFCP)」に改称するとともに、その活動を全米規模に拡大すると発表があり、水素燃料テクノロジー分野の動向や関連した製品、ビジネスの紹介も行われた。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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