グスタボ・ペトロ氏が大統領に就任、初の左派政権が誕生

(コロンビア)

ボゴタ発

2022年08月09日

コロンビアで8月7日、グスタボ・ペトロ氏が第42代大統領に就任した。任期は2026年までの4年間。ペトロ新大統領はカリブ海沿岸のコルドバ県出身の62歳。6月19日の大統領選決選投票で実業家のロドルフォ・エルナンデス氏に勝利した(2022年6月20日記事参照)。長年、右派や中道右派が政権を担ってきたコロンビアで、史上初の左派政権が誕生した。

ペトロ新大統領は就任演説で、以下の10の公約を掲げた。

  1. 真の最終的な平和:和平合意の履行(注1)と、真実委員会の報告書(注2)の勧告に従う。
  2. 高齢者や子ども、障害者への配慮:平等を生み出す手段と解決策を備えた政策を作る。
  3. 女性のための政治:フランシア・マルケス副大統領とともに、平等省の下、女性が安心して暮らせる社会を目指す。
  4. 対話による政治:これからのコロンビアのロードマップを作るため、全ての人と対話し、国民大合意(Gran Acuerdo Nacional)を構築する。
  5. 全ての声に耳を傾ける:官僚主義から離れ、全国各地を歩きながら全てのコロンビア人の声に耳を傾ける。
  6. 治安の改善:予防プログラム、犯罪組織の追跡、治安部隊の近代化など、総合的な治安対策を取る。
  7. 汚職との闘い:汚職に対する寛容さゼロの政府になる。汚職行為を抑止するためのシステムを変革する。
  8. 環境保護と再生可能エネルギーの促進:森林の違法伐採に立ち向かい、再生可能エネルギー開発を促進する。
  9. 国内産業、大衆経済、農村の発展:農民、職人、雇用を生み出す企業家などを支援し、知識・技術集約型の社会を発展させる。
  10. 憲法の順守:憲法を順守するとともに、国の開発を持続可能で公正かつ平等なものにするために、新しい法的枠組みを作る。

(注1)2016年11月、コロンビア政府と反政府組織コロンビア革命軍(FARC)が署名。FARCの武装解除後の政治参加や、特別法廷で罪を認めた場合の刑罰減免などを盛り込んでいる。

(注2)和平合意締結後に設置された真相究明委員会が2022年6月に出した最終報告書。紛争に関わった3万人以上の関係者から聴取した内容を基に作成された。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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