第2四半期GDP成長率(速報値)は前年同期比2.1%、鉱工業が堅調

(メキシコ)

メキシコ発

2022年08月01日

メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は729日、2022年第2四半期(46月)の実質GDP成長率(速報値)について、前年同期比2.1%、前期比(季節調整済み)1.0%と発表した。

2022年第2四半期の主要産業別GDP成長率をみると、第二次産業(鉱業、建設、製造業、電力・水道)が前年同期比3.3%と好調で、前期比(季節調整済み)でも0.9%のプラスだった。第一次産業(農牧林水産業)も前年同期比1.5%、前期比0.9%と堅調に推移している。第三次産業(サービス産業)は前年同期比1.3%、前期比1.0%だった。なお、825日に業種別のデータが発表される予定で、成長率が微修正される可能性もある。

IMFがメキシコの2022GDP成長率予測値を2.4%へ引き上げ

IMF726日に発表した世界経済見通し(WEO)で、世界経済の2022年実質成長率見通しを、前回(20224月)見通しから0.4ポイント引き下げ、3.2%に下方修正した。世界的なインフレ率の高進と、それに対応する金融政策の引き締め、新型コロナウイルス感染再拡大による中国のロックダウンに加え、ロシアによるウクライナ侵攻が負の波及効果をもたらしているとし、米国、欧州諸国などを中心に2022年のGDP成長率予測値が引き下げられたが、メキシコについては2022年上半期の各指標が予想よりも良い結果だったことを理由に、2.0%から2.4%へと引き上げられた。

一方、728日に米国の2022年第2四半期GDP成長率が前期比でマイナスになった(2022年7月29日記事参照)ことが発表されると、2022年下半期のメキシコ経済への影響に対する懸念が専門家の間で広がった。フィナメックスのチーフエコノミストであるモンセラート・アルダベ氏は、米国経済が後退局面に入った場合、特にメキシコの製造業、輸出への影響は避けられないとし、さらに、マネックスグループの経済分析サブディレクターであるジャニス・キロス氏は、新型コロナウイルスの影響による経済危機の期間において過去最高を記録し、メキシコの消費を下支えした海外送金が減少するだろうと指摘している(「エル・エコノミスタ」紙728日)。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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