オーストラリアやNZでもインフレが加速、2022年第2四半期

(オーストラリア、ニュージーランド)

シドニー発

2022年08月02日

オーストラリア統計局(ABS)は727日、2022年第2四半期(46月)の消費者物価指数(CPI)が前期比で1.8%上昇したと発表した。前年同期比では6.1%上昇し、20007月に財・サービス税(GST、注)が導入されて以降、約20年間で最も大きい上昇幅となった。

2四半期のCPI前期比上昇については、新築住宅価格(5.6%上昇)と自動車用ガソリン価格(4.2%上昇)が最も大きい要因だった。新築住宅について、建築資材や労働力の不足、貨物輸送コストの上昇に加え、建設ラッシュが重なり、価格上昇をもたらしている。自動車用ガソリンについては、新型コロナウイルス感染拡大防止のための制限の緩和による世界的な需要の高まりに加え、2022年第1四半期に起きたロシアのウクライナ侵攻による原油価格高騰が重なり、価格上昇が続いている。

物品の価格上昇率(前期比2.6%上昇)は、サービス(0.6%上昇)と比べて大きく、食品など(2.0%上昇)、家具・住宅設備・付属サービスなど(2.5%上昇)が顕著だった。食品については、野菜(7.3%上昇)や果物(3.7%上昇)、テークアウト食品(1.4%上昇)などの価格上昇が大きかった。洪水によるサプライチェーンの途絶や労働力不足、貨物輸送コストの上昇が要因で食品の価格の高騰が続いている。家具の価格(7.0%上昇)も上昇した。輸送費や材料価格、在庫不足が主な要因となっている。

サービスの価格上昇率は、物品と比較すると小さいものの、金融サービス(前期比1.2%上昇)、休暇旅行・宿泊サービス(2.3%上昇)が上昇した。

ニュージーランドでも前期比1.7%上昇

ニュージーランド統計局は718日、2022年第2四半期のCPIが前期比1.7%上昇したと発表した。主に住宅・光熱費(前期比2.3%上昇)、輸送費用(2.3%上昇)、食品(1.3%上昇)などの価格上昇が影響した。前年同期比では7.3%上昇した(2022年7月28日記事参照)。

(注)GSTは、オーストラリア国内で消費されるほぼ全ての商品、サービスに課される税金。税率は取引価格の10% 〔GST(商品サービス税):オーストラリア参照〕。

(青島春枝)

(オーストラリア、ニュージーランド)

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