メルコスール首脳会合、ウルグアイは中国とのFTA単独交渉をあらためて主張
(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、メルコスール)
ブエノスアイレス発
2022年07月22日
7月21日、第60回メルコスール首脳会合がパラグアイで開催され、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領、パラグアイのマリオ・アブド・ベニテス大統領、ウルグアイのルイス・ラカジェ・ポウ大統領が出席した。ブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領は欠席した。
首脳会合において、アルゼンチンのフェルナンデス大統領は、ウルグアイが単独で中国と自由貿易協定(FTA)交渉を行うことについて、「メルコスールが一体となり交渉すべきだ」とあらためて主張した。
これに対して、ウルグアイのラカジェ・ポウ大統領は、中国とのFTA交渉を単独で進めることをあらためて表明した。しかし、中国との交渉が進展して最初にやることは、他のメルコスール正式加盟国に協定への参加を呼び掛けることだと述べ、ウルグアイがメルコスールから離脱する意思がないことを示した。また、その他の国や経済圏ともFTA交渉を進める意向を明らかにした。そして、「私の国、私の国民を守るための最善の方法は、世界に門戸を開くことだ」と述べて演説を締めくくった。
7月21日付のウルグアイの現地紙「エル・パイス」電子版によると、パラグアイのベニテス大統領は首脳会合後の記者会見において、ウルグアイの単独交渉について、「加盟国の産業への脅威となり得る」「メルコスールが1つのブロックとして交渉すべき」とした。また、国交がある台湾との関係については、「台湾は、パラグアイが中国とFTA交渉を行うことを問題視しないが、中国が条件を付す」との見解を示した。
6カ月ごとに交代するメルコスールの議長国は、パラグアイからウルグアイへと移った。ウルグアイが主張する「メルコスールの近代化、柔軟化」が進むかどうかに注目が集まる。
(西澤裕介)
(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、メルコスール)
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