第62回ジンバブエ国際見本市開催

(ジンバブエ)

ヨハネスブルク発

2022年05月24日

ジンバブエ第2の都市ブラワヨで4月25日から30日にかけて、「第62回ジンバブエ国際貿易展(ZITF)」が開催された。エマソン・ムナンガグワ大統領をはじめとするジンバブエ政府関係者も多く来場した。主催者発表によると、今回の見本市には計514社が出展し、国外からは近隣諸国のほか、英国やインドネシアなど14カ国の企業が出展した。ハイスペックの工業製品などを展示するブースは少なく、日用品関係などBtoCを意識した出展物が多かった。

日本からは、在ジンバブエ日本大使館がブース出展し、そのブースを利用してNECと富士フイルムが参加した。NECは顔認証システム「NeoFace Watch」を展示し、政府関係者やセキュリティー会社をターゲットに売り込みを行った。富士フイルムはインスタントカメラ「instax」などを展示し、ブース内で撮影や即時プリントのデモを行うなど、幅広い層の来場者に好評だった。その他、トヨタ、スズキ、日産、マツダ、いすゞ、三菱自動車などの大手自動車メーカーの現地代理店が独自出展し、初出展としては農業や工場での活用に向けて販路拡大を狙う荏原製作所がポンプなどの展示を行った。日系自動車メーカーの担当者は「ジンバブエでは売り上げの半分以上が政府向けとなっている。ZITFは政府関係者の来場が多いため、良いPRの場となっている」と述べた。

主催者のブシサ・モヨ氏は日本企業に対し、「ZITFは国を挙げて開催している見本市で、国内外から来場者が集まる。ジンバブエの国内需要だけ見るとマーケットは小さいが、近隣諸国のハブとなる地理的環境を有している。そのため、ジンバブエに製造拠点を置き、国内外へ販路を開拓するということもぜひ考えてほしい」とコメントを寄せた。

ジンバブエの人口は1,465万人と巨大ではないが、4カ国と国境を接する。国民の多くは英語を話し、対日感情も良好だ。通貨は、ハイパーインフレによって2009年に旧ジンバブエン・ドルの流通は事実上停止となった。2019年6月にはあらためてジンバブエ・ドルが再導入され、2020年3月からは新型コロナウイルス対策の一環として米ドルの流通も暫定的に認められている。2023年には次期大統領選が予定されていることから、与党が新型コロナウイルス感染拡大で疲弊した国民生活の改善や経済活性化をどの程度進められるかが注目される。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

写真 日本大使館ブース(ジェトロ撮影)

日本大使館ブース(ジェトロ撮影)

写真 日本大使館ブースに来訪したコンスタンティノ・チュウェンガ副大統領(ジェトロ撮影)

日本大使館ブースに来訪したコンスタンティノ・チュウェンガ副大統領(ジェトロ撮影)

写真 荏原製作所ブース(ジェトロ撮影)

荏原製作所ブース(ジェトロ撮影)

写真 英国大使館ブース(ジェトロ撮影)

英国大使館ブース(ジェトロ撮影)

(堀内千浪)

(ジンバブエ)

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